aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】神去なあなあ日常/三浦しをん 都会育ちの少年が山奥のど田舎で生活を始める

「神去もええところや」

神去なあなあ日常 (徳間文庫)

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田舎の山の中で暮らすことになった少年。

都会から急に田舎に引越し、そこで生活をせざるを得ない。

何もかもが都会とは違う。

 

便利なものは何もない、ゆったりとした時間の中で、現代人が忘れた何かに出会う。

コンビニはないけれど、そもそもいらないのではなかろうか。

ケータイは通じない、でも使わなくても大丈夫。

 

少年が田舎の暮らしで学んだことは、都会に生きる人間が知らないこと。

より自然に近いところで、地球に近いところで。

生きるということはかくも美しい

 人は何のために文章を書くのか

「長い文章なんて書いたことがないが、記録すれば俺の心もなあなあだろうし、気持ちの整理になると思うんだ」

本作は、少年が書いた日記という体をとっている。

彼は何故書き始めたのか。

それは自分の心を見つめるため。

頭の中でごちゃごちゃ考えていることを活字に落としたとき、何か新しいことが見えてくるのだ。

言語化というものは難しい、だが、頭の整理をするには持ってこいだ。

ただ、後から見返すとちょっと恥ずかしかったりもする。

 

生きることと仕事が直結している

「山仕事は仕事じゃなく、生きかたそのものです、って感じだ」

山で遭難しかけた時、彼は何を思うか。

山で死ぬのは当然だ。

そう思ったのだ。

なぜなら、山の神様に守られて今まで生きてきたのだから。

自然に守られた人間が、自然を怖がることはない。

むしろあるがままを受け容れる。

無理に支配しようとしない、その姿勢を見て、我々は何かを感じる。

科学技術で無理やりに支配することが果たしてどこまで必要か

共存という言葉を思い出さねばならない。

 

「俺たちは山にお邪魔させてもらっとるんや、ちゅうことを忘れては、神去の神さんに怒られるねいな」

自然に、地球に我々人間は生かしてもらっている。

地球からみたら、人間などいないほうがいいのかもしれない。

生態系を破壊して、地球の環境を壊して、やりたい放題。

いつか、後戻りができなくなる前に、もっと謙虚にならねばいけない。

持続的な世界を求めて。

 

便利すぎるものは実は不要なものかもしれない

「ないならないで、まあいっかって気持ちになる」

いま身近にある便利なもの。

意外となくなっても平気なのだ。

便利過ぎる世の中で、無意識のまま使っている道具たち。

本当に必要なのか。

それが出来るまでに、どれだけの自然を壊しているのだろうか。

 

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