aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】盆の国/スケラッコ 会えないはずの人たちにもう一度会える、楽しい季節

彼女だけに見える特別な世界がそこにはあった

盆の国 (torch comics)

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お盆には死んだ人が帰ってくる。
彼らの姿を見ることができる女の子、秋。
会えないはずの人たちにもう一度会える楽しい季節。
彼女だけに見える特別な世界がそこにはあった。
ずっとこのままお盆だったら良いのに。
彼女の頭に浮かんだ妄想は、ふとした拍子に現実となってしまった。

 

同じ一日を繰り返す街、その中で出会った謎の青年、夏夫。
彼もまたご先祖様の姿が見えていた。
加えて彼はご先祖様と話すこともできるのであった。
夏夫と秋、彼らの物語が始まる。
物語にはいろんな登場人物がいる。
例えば、息子が雷に打たれて死んでしまったおばさん。
息子が帰ってきているのに、母親には彼の姿を見ることができない。
夏夫と秋は、彼に話しかけ、一緒にキャッチボールをする。
彼は自分がいなくなったことにより悲しむ母親の姿を見るのが辛い、と言っていた。
亡くなった人のことで悲しむと亡くなった人も辛い。
わかっているのだが、避けられない。

 

夏夫は言う、人に話せばいい。
何でも話せばいい。
人に話すことで気持ちはうんと楽になる。
何か解決策があったとしても、何も解決策がなかったとしても。
自分の胸に溜め込んでおくことよりも軽くなるばかりだ。
そんな夏夫にも大きな秘密があった。
彼にもやらなければならない仕事があった。
その仕事をやり遂げた時、彼はどうなるか。
悲しくも素敵な物語。
久しぶりに漫画で感動した。
いや、自分の涙腺がもろくなったのかもしれない。
 

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