aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】シャーロックホームズ対伊藤博文/松岡圭祐 歴史の裏側にあったフィクション

名探偵と総理大臣、熱き二人の物語

シャーロック・ホームズ対伊藤博文 (講談社文庫)

新品価格
¥896から

名探偵と総理大臣、フィクションとノンフィクション、イギリスと日本。

それらの垣根を取り払って、彼らは相見えた。
日本の史実とコナンドイルのフィクション、それらが融合した時、世界は新たな一歩を踏み出す。
歴史の背景にあった物語。
教科書でしか見ない単語の裏側に潜む重大な歴史大作である。

 

名前に惹かれて買ってしまった。
ジャケ買いと言っても過言ではない。

国家としての自律 

「法律を守って戦争を起こすのか」
法治国家とは何だろうか。
それは法律が制定され、それがちゃんと効力をもって運用されている国家のことだ。
すなわち法律は、他の力によって捻じ曲げられてはならない。
それがいかに守られる国家体制になっているかどうか、それが世界から信頼される大国への一歩と言える。
法律と感情の間で揺れ動く時、国家が国家でなくなる。
法律とは何か、憲法とは何か、今一度考えてみたい題材である。
 

信頼の裏打ちにあるのは感情ではなく論理

「急速な近代化を果たしつつある日本では、西洋の科学に疑いの目を向ける姿勢は育っていない」
より技術力の高い国家からもたらされたもの。
それらを疑うという事件は、当時の日本にはなかった。
なぜならば与えられたものが全てだったから。
理解できないほどに奇跡に近かったから。
だが、そこで疑うのが科学者なのだ。
信頼は論理に裏打ちされていなければならない。
それが感情ではいけないのだ。

 

自分が生きる明確な意味

「何のために生を受けたかと問われた時、明確な答えがそこにあった」
ホームズと伊藤博文、彼らには守るべき使命があった。
よりどころとなる軸があった。
それらの共通点から、彼ら二人はぶつかり合いながらもお互いを認め合っていく。
自分が生きているのは何のためか。
それに対して人はどう動くべきなのか。
偉大な男たちの生き様を見せつけられるストーリーた。
 

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