【読書】シャーロックホームズ対伊藤博文/松岡圭祐 歴史の裏側にあったフィクション
名探偵と総理大臣、熱き二人の物語
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名探偵と総理大臣、フィクションとノンフィクション、イギリスと日本。
それらの垣根を取り払って、彼らは相見えた。
日本の史実とコナンドイルのフィクション、それらが融合した時、世界は新たな一歩を踏み出す。
歴史の背景にあった物語。
教科書でしか見ない単語の裏側に潜む重大な歴史大作である。
名前に惹かれて買ってしまった。
ジャケ買いと言っても過言ではない。
国家としての自律
「法律を守って戦争を起こすのか」
法治国家とは何だろうか。
それは法律が制定され、それがちゃんと効力をもって運用されている国家のことだ。
すなわち法律は、他の力によって捻じ曲げられてはならない。
それがいかに守られる国家体制になっているかどうか、それが世界から信頼される大国への一歩と言える。
法律と感情の間で揺れ動く時、国家が国家でなくなる。
法律とは何か、憲法とは何か、今一度考えてみたい題材である。
信頼の裏打ちにあるのは感情ではなく論理
「急速な近代化を果たしつつある日本では、西洋の科学に疑いの目を向ける姿勢は育っていない」
より技術力の高い国家からもたらされたもの。
それらを疑うという事件は、当時の日本にはなかった。
なぜならば与えられたものが全てだったから。
理解できないほどに奇跡に近かったから。
だが、そこで疑うのが科学者なのだ。
信頼は論理に裏打ちされていなければならない。
それが感情ではいけないのだ。
自分が生きる明確な意味
「何のために生を受けたかと問われた時、明確な答えがそこにあった」
ホームズと伊藤博文、彼らには守るべき使命があった。
よりどころとなる軸があった。
それらの共通点から、彼ら二人はぶつかり合いながらもお互いを認め合っていく。
自分が生きているのは何のためか。
それに対して人はどう動くべきなのか。
偉大な男たちの生き様を見せつけられるストーリーた。