aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】もしも俺たちが天使なら/伊岡瞬 ダメ人間たちが正義の味方に

詐欺師、ヒモ、元刑事。彼らの正義がここにある

もしも俺たちが天使なら (幻冬舎文庫)

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詐欺師、ヒモ、元刑事。

3人が巻き起こすクライムノベル。
彼ら3人は、3人揃うと正義の味方になる不思議なチームであった。
セレブからしか金を取らない詐欺師、谷川。
喧嘩は負け知らずのヒモ男、松岡。
不始末で警察追われた元刑事、染井。
彼ら3人はふとしたことから共同戦線を張る。
変な男に実家が乗っ取られそう、と助けを求めてきた女性の依頼を受けたのだ。
誰が騙しているのか、誰が騙されているのか、どこまでがブラフなのか。
それを見極めるのは読者の仕事。

 

しかしながら、くるくるとめまぐるしく変わる展開と彼らの口からのでまかせ。
それらに翻弄されながら、最後にたどり着くところはどこなのだろうか。

正義感で動く彼らの生き様

「自分のためにもならないのに人助けしなきゃならない。しかもそんな変わり者が3人も集まったんだぜ。これは神様のいたずらとしか思えないだろう」
変人が3人に手を組む。
彼らは何のために働くのか。
金でも名声でもなんでもない、心にあるのは人助け。
クール、そして鮮やかな手口で彼らは実行する。
男前な背中を見せながら。
 

 

社会ってめんどくさい

「社会の歯車となって生活するということは何と面倒なのか」
松岡は言う。
社会の仕組みは難しい。
その仕組みを理解して皆が社会の一員となっているのにただただ驚く。
逆を言えば彼らははみ出し者であるのだ。
そんな彼らが正義の味方になる、そんな物語。
 

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