aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】青が散る/宮本輝 自らの道を懸命に切り開くためにもがき続ける青春

自らの道を懸命に切り開くためにもがき続ける青春

青春小説。

大学生が、テニスに、人間関係に、そして人生に悩みながら生きる。

人は皆、失うものに囲まれて、失いながら生きていく。

青が散る〈上〉 (文春文庫)

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テニスのボールを一心不乱に追い続け、時に恋い焦がれる人間たち。

自らの道を懸命に切り開くためにもがき続ける青春

 

 

都会の群衆の中での孤独

「大都会の静寂に呑まれて人間の駱駝が生きていく

群れをなしているのにひとりぼっちで」

都会の人混みは、人がいるのに寂しい気持ちになる。

物理的距離はこんなにも近いのに、まったくの他人

冷たい感じがするのはコンクリートに囲まれているからだけではない。

遠くにいても、いまは科学技術が進歩して簡単に連絡が取れるようになった。

だけど直接会うことは別格。

 

 

自分の生き方

覇道だ、王道よりも覇道だ」

世間が正しいと信じる方向ではなく、自分の信じた道を突き進む。

自分の事を信じることをすれば、生きることは楽しい。

周りから評価されるためにやるわけではない。

自分が進みたいと思うから進むのだ。

 

「しからば、いったい何のために生まれたか」

いろいろ考える大学生たち。

自分の生きる意味はなんだろうか。

それを探しながらも前を向いて歩いて行く。

歩きながら荷物が増え、守るものが増えていく。

そんな感じなのだろうか。

 

「ぼくらは何を成せるだろう」

仕事で結果を出すことは重要ではない。

そんなもの人生のほんの一部分でしかない。

仕事ができないからといってすべてが劣っているわけでもない。

日々の生活を楽しめることこそが、一番大事なのである

生きていくこと自体が何かを成している、そう思う。

 

「人の不幸の上に、自分の幸福など築けるものか」

他人を蹴落としながら生きていく、そんな考えをする人がいる。

出る杭を打つ。

だけど足を引っ張り合ったって、何もいいことはない。

自分が成長できていないから相手を転ばす。

そんな負の連鎖はいらない。

 

他人のためにならないと思っていても、自分の仕事のためにゴミを売りつける。

そんな仕事は仕事ではない。

自分の仕事に誇りを持っているかどうか。

自分自身で正しい行動をしていると胸を張って言えるかどうか

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