【読書】翼、ふたたび/江上剛 自分は何のために働いているのか
自分の仕事は誰のためになっているのか
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舞台は破綻した航空会社。
そう、日本航空をモデルにした、再建に奮闘をする人々を描いた小説である。
2010年1月、ヤマト航空は経営に行き詰まり会社更生法を申請。
外部からカリスマ経営者を招いた。
しかしながらプライドの高い内部の社員は反感を覚える。
次第にバラバラだった社内は一つにまとまる。
その最中に、東日本大震災が発生する。
奇跡の復活を描く感動のストーリー。
その裏側に何があったのか、すべてはお客様のため。
この物語を読んで誰しも心を打たれるはず。
自分は何のために働いているのか。
自分の仕事は誰のためになっているのか。
胸に手を当てて考えてみる。
危機を想像すること、それが難しい
「20年以上も勤務してきたヤマト航空が破綻するとはにわかには信じられないとの思いが未だに払拭出来ない」
今まで何事もなく存在していた会社、そして自分の生活。
それが永遠に続くと思っていた。
だから破綻と言う現実に目を向けることができない。
ナショナルフラッグキャリアであるという傲慢さを、当たり前のものとして働いてきたツケが回ってきたのだ。
公的企業ではなく、民間企業であること、その意味はどこにあるか
「民間企業は利益を上げなければ成り立たない」
公益、それは利益を上げないという意味ではない。
民間企業は利益を上げ、その中から税金を納め、給料を支払い、株主に配当を行い、将来のための蓄積をする。
そうやって安定的に存在することこそが意味のある会社なのだ。
利益を追求することは悪ではない。
むしろ民間企業は追求しなければならない。
もちろん一定のモラルを持ったままで。
人のためになることをするから、利益が生まれる
「自分だけ良ければいいんじゃなくて、利他の心、お客様を想う心が大事なんだ」
他人のために働くということ。
それこそが利益の源泉である。
サービスの根源にあるものといいかえてもよい。
自分は何のために働いているのか。
それが分からなくなった時、忙しい時こそ、そこに立ち返るべきなのだ。
その結果、何が起こるか。
道を過たずに済むのだ。