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aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】代償/伊岡瞬 憤怒がここにある

衝撃と断罪のミステリ

代償 (角川文庫)

新品価格
¥864から

「多くの人を欺くこと、他人の人生を操り破壊することが、達也さんの生きがいです」

啓文堂の文庫大賞第一位に輝いた本作。

ドラマ化もしているらしい。

 

平凡な家庭で育った圭輔。

小学生の彼は突如、両親を失くす。

原因は火事、タバコの不始末が出火原因だったらしい。

 

そこから彼の運命は一転する。

遠縁の達也の家で暮らすことになるのだが、彼は曲者だった。

人を怯えさせる、怖がらせる、萎縮させることに快楽を見出す。

そんな人間であった。

 

圭輔と達也は同学年。

いつも、そんな達也におびえていた圭輔。

達也の親も圭輔には辛く当たり、人として最低限の生活さえもおくらせてもらえなかった。

 

そんな彼に手を差し伸べた寿人。

彼が圭輔を救った。

 

圭輔はその後、猛勉強し、弁護士になった。

だが、再会する。

今度は、被告人と弁護士という関係で。

 

達也は再会後も、ひたすら圭輔をいたぶり続ける。

この悪に、圭輔はどう立ち向かうか。

世の中には様々な人が存在する

「なにもかも計算して行動するようなところのある達也」

子供の頃から達也は計算高い人間であった。

自分だけは泥をかぶらないように。

だけれども人には危ない橋を渡らせたり、けしかけたり。

他人の不幸に快楽を見出す彼。

果たしてこれは彼だけの特異性なのだろうか。

特異性だと信じたいのはやまやまだが。

 

 

諦めるのは簡単であるが、失うものは多い

「希望が持てないならはじめからあきらめるのが最良だ」

達也の家でひどい扱いを受けていた圭輔。

彼は次第に物事をあきらめるクセがついてしまった。

期待をすれば落胆する。

であれば、そもそも期待しなければいいのだと。

だが、そうやって諦めることで、人は感情を失っていく。

人間らしい生活すら送れなくなってしまった。

 

異質が世界を変える

「あれはいってみれば劇場型裁判だ」

達也の手にかかれば裁判だって変わってしまう。

皆の注目を一心にあつめ、結果を変えてしまった。

人の心を操る天才。

彼はどのようにして生まれたのか。

なぜこうなってしまったのか。

 

 

恐ろしい社会がいつ生まれてしまったのか

「怪物は達也ひとりじゃないってことさ。それこそ、そこらじゅうにいる」

ジャーナリストの卵である寿人は言う。

世間には多くの怪物がいる。

人は多様だ。

いろいろな種類の人がいるからこそ、争いは起こる。

狡猾な人間もいる。

そんな世界でどうやって生きていくか。

人は考える。

楽しく、平和な世界を生きるために、前を向きながら。

 

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