読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】神様の裏の顔/藤崎翔 裏を読めるか、騙されないで最後まで

信じていた心がふとした瞬間疑心暗鬼に陥る、そんな感覚を味わいたいか

神様の裏の顔 (角川文庫)

新品価格
¥734から

横溝正史ミステリー大賞受賞作。
だが、僕がこの本に惹かれたのはこの文章ではない。
道尾秀介氏、推薦。
その1文にやられてしまった、買ってしまった。
 

 

本作品の作者は元お笑い芸人らしい。
読み始めるとわかる奇妙な語り口、そしてスラスラ入ってくる文章。
不思議そして驚愕。
読み終わってからもう一度読みたい。
なぜなら私は騙されていたから。
本作は、お通夜を舞台にした小説である。
まずその設定に驚く。
話題の中心にいる人物は、他界した故人。
彼にまつわる人たちが集まっている。
そして皆、何かしら思うところを持っている。
彼らはふとした瞬間に出会い、お互いの情報を持ち寄り、そして何かが明らかになる。
その明らかになったもの、真実らしいと思われるもの。
それは神様の裏の顔。
皆から慕われていた彼、慕われていたことほどに裏の顔があったのではないかと。
物語は一転、急転直下。
最後に驚くのは誰だ。
僕は読者だと思っている。

善にも悪にも取れる言葉 

「すまない私の力が足りなかったね」
この発言の真意はどこにあるのだろう。
助けることができなくてごめんねということなのではないのか。
人は一度、疑心暗鬼に陥ると、人を信じることができなくなる。
当初はいい人だと思っていた。
そんな相手であっても、ふと変わってしまった思いというものは、なかなか覆らない。
ほんの少しの先入観が命取りであったりする。
 

 

葬式は誰のために

「人は二度死ぬ。一度目は肉体が死んだ時。二度目は生きている人の心の中から消えた時」
お葬式というものは生きている人間のためにある。
彼らが故人を思い出し、そして強く生きていくために。
ではこの本のお通夜は誰のためにあるのだろうか。
 

関連記事