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aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】約束の海/山崎豊子 山崎豊子の絶筆

戦争をテーマとした一冊、著者の思いがこもる

約束の海 (新潮文庫)

新品価格
¥699から

山崎豊子の作品は、人の生き様、そして社会の、国のあるべき姿形を見せてくれる。

そして無関心でいることの無責任さを我々に見せつけてくる。

彼女の作品がもうこれ以上増えないという哀しみとともに、彼女の残した思いをしっかりと見つめたい。

 

本作は潜水艦乗りの海上自衛官に焦点を当てたもの。

その潜水艦くにしおが釣り船と衝突する。

多くの犠牲者が出て、マスコミを中心とした国民に非難される。

 

自衛隊とは何なのか、戦争とは何なのか、ひいては平和とは何なのか。

本作は必死に問いかける。

自衛隊はなぜ存在するのか。

国のためにあるのに、なぜ直ぐに責められるのか。

悪者扱いされてしまうのか。

そのあり方と日本国のあり方を、国民皆が考えなければならない。

目をそむけてはならない。

決して他人事ではない

日本海は、いつまでも空想を楽しんではいられない、何が起るか予測不能の海域だった」

日本の今の状況を、国民はどれだけ真剣に考えているか。

日米安保の傘の下で、本当に安心できるのか。

周辺国からミサイルが飛んでくることがどれだけ恐ろしいことか皆わかっているのだろうか。

ゴジラの映画にも重なるが、いつどのような事態が起こるかわからない今、人は何を考えるべきか。

それはどうしたら自分を守れるか、自国を守れるか、生きるための国を守ることではないだろうか。

 

 

国民は主体となるべきであり傍観者では駄目だ

「国民の関心が低いからと云って、いつまでも国際情勢に無関心でいられる時代ではない」

自分の国に対して、傍観者であってはならない。

自分が何かしたって何も変わらない。

そう考える人が増えた。

だからこそ選挙の投票率も下がってしまう。

一人一人が考えを持たなければ、民主主義はうまく機能しないのだ。

国民は政治家に耳を傾け、政治家は国民に説明できる知識と能力をつける。

それが第一歩ではないだろうか。

 

なぜ自衛隊は嫌われるのか

「日本における自衛隊って、一体、何なんでしょう」

若き自衛官の発言。

国を守ることをしている彼らが国民の目に触れるのは、災害救助のときが主。

他の国では国防の仕事に付いている人たちは敬愛される。

だが、日本は嫌悪される。

その違いはどこから生まれるのか。

戦争に負けたことから起因している平和主義の思想になじまないのは明らかである。

だが、本当に必要なときに、誰が守ってくれるのか、それを考えることも忘れてはならない。

 

戦争は何をもたらし何を奪うか

「櫻花 散るべき時に 散らしめよ 枝葉に濡るる 今日の悲しみ」

若き自衛官父親の句。

戦争で死ねなかった苦しみ、生き残ったための悲しみ。

戦争は非常に多くの物を奪っていく。

起こってはならないこと。

 

自衛官の仕事は戦争を起こさないこと

「国を護る、戦争を起こさない努力をする仕事こそ」

若き自衛官は考え、結論に至る。

自衛官の仕事は、戦争を起こさないこと。

護るための力というものは、それ自体が高度に規律されていなければなり得ない。

そしてその中で働く自衛官が、何のために働くか、自分が納得できることが第一。

 

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