aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】LEAK 猟奇犯罪捜査班 藤堂比奈子/内藤了 事件の背景にある大きな闇を見つめて

人が行動を起こすのには理由がある

LEAK 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子 (角川ホラー文庫)

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¥699から

藤堂比奈子シリーズ4作目。

本作の題名はLEAK。

何をリークするのだろうか。

その答えはなかなか出てこない。

 

今回の事件は、秋葉原で死体が見つかることから始まる。

不思議な死体。

体の中に大量の小銭と紙幣が詰め込まれていた。

 

続けて同様の死体が見つかってくるが、共通点がわからない。

だが、何かしらのメッセージがあるはずだ。

比奈子たち猟奇犯罪捜査班は捜査を続ける。

 

次第に判明してくる被害者たちの繋がり。

そして殺され方にも意味があった。

 

人が行動を起こすのには理由がある。

今回の犯人、リッチマンもそうだ。

犯人は何を訴えたかったのか。

自己顕示欲ではなく、伝えたいことがあったからこそ。

比奈子たち捜査班は、犯人を捕まえるだけでなく、その裏側まで汲み取っていく。

現代社会の恐ろしさと、それを救うべく奔走する捜査班に驚愕する。

恐ろしいのは生身の人間 

「生々しい命を奪い取り、あんな部品の塊と、抜け殻だけにしてしまったのだ」

検死の光景を見ながら比奈子は思う。

恐いものは何なのか。

それは人を人と思わない人間。

悪意をむき出しにして理性をかなぐり捨てた人間なのだ。

 

 

優先順位を振り返る

「答えに窮して悩むとき、比奈子はいつも考える。一番大切なことは、何なのか」

ものすごくいい言葉だと思う。

悩んでいるときは、往々にして視野が狭くなりがちだ。

狭い範囲で物事を考え、早急な結論を出しがちだ。

必要なものは全体を見て、プライオリティを見つけること。

自分は何を求めるのか、何を求めなければいけないのか。

 

人は死ぬ時までに何を考えるか

「命を終える時の気持ちなど、若くて健康な比奈子は考えたことも無かったけれど、人は自分の人生と対話しながらその時を迎えるものなのだろうか」

死と向き合うことは恐い。

だからこそ、普段はあまり考えるない。

そこに直面しなくていい状況であればなおさら。

歳を重ねるにつれ、段々と向き合う強さというものが生まれるのだろうか。

それとも、やはり恐いままなのだろうか。

 

身の程をわきまえることこそ強さだ

「弱いからこそ、弱いことを恥じてはならない。弱いからこそ、強くあろうと闘えばいいのだと」

人は、時に崩れやすい。

一時の感情で、悪に触れてしまい、取り返しの付かない事にもなりうる。

そうならないために、どうすればいいだろうか。

弱い自分を理解し、それを前提に行動することではないだろうか。

自分が強い、素晴らしいと思っていればいるほど、足元を掬われる。

弱いなら、堂々とそれを認め、強くあろうとすることが大事なのでは。

 

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