【読書】砂漠/伊坂幸太郎 俺は、世界を平和にしようとしているのに
社会という砂漠に出て行く前に
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主人公は大学に入学したての学生5人。
4人が、名前に方角の漢字が使われているから、麻雀をやることになる。
学生生活の日常を通して、大小様々な事件に出会う彼ら。
自分の生き方を模索するような学生時代に、彼らは何を思い、何を感じるか。
その中でも一番、目立つ男、西嶋。
例えば、彼が麻雀をやっている最中のおはなし。
麻雀には、平和(ピンフ)という役がある。
西嶋はピンフを狙い続けるが、上がれない。
その時彼はこう言う。
「まわりのオヤジたちがどんどん、邪魔して、俺を負かすんですよ。
俺は、世界を平和にしようとしているのに」
そう、一言で言うと変なヤツ。
どんなことにも真剣勝負、純粋で真っ直ぐな男。
この本を読み終えたらきっと西嶋のファンになる。
「いざという時にはやる、なんて豪語している人は、いざという時が来てもやらない」
ボウリングの練習を必死にやっている西嶋を見ながらの一言。
どんなにくだらないことに対しても真剣に取り組む西嶋の姿は、泥臭いけどもカッコいい。
泥臭く頑張るということは恥ずかしいことではない。
スマートにやる必要なんてどこにもないのだから。
自分が思っているほど、他人は自分のことに興味がない。
「この国の大半の人間たちはね、馬鹿を見ることを恐れて、何もしないじゃないですか」
ごちゃごちゃ言わないで行動しなさい。
そうすれば目の前の何かを救うことができる。
行動が伴っている人間の言葉は重みが違う。
「残念ながら、俺を動かしているのは、俺の主観ですよ」
最終的に、すべてはこの通りだと思う。
いくら論理的にどうこう言っても、本心がすべて。
自分に嘘をつかないように。
「社会人の何が偉いんですか。あなたは世の中のために何をやっているんですか」
これ、耳が痛い。
社会人とはなんだろうか。
仕事をしていれば社会人なのか。
そもそも仕事というものは社会の役に立つためにあるもの。
すなわち、社会の役に立っていることをしている人が社会人だ。
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