【読書】ハケンアニメ/辻村深月 仕事に対して前向きになれる熱血お仕事小説
仕事に対して前向きになれる。何のために働いているのか、それを自問させてくれるお話
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熱い、ひたすら熱い。
仕事に向かう姿勢。
自分の好きなものに情熱を捧げることのうつくしさ。
思いを込めることの大切さと思いをわかってくれる人がいるという安心感。
アニメの製作というあまり身近でない職業に目を向けて、
ただし内容はどんな仕事にも、どんな生き方にも通じるものがある。
「好きなものに詳しくなることで、感動は言語化できる頭でっかちなものになり、
無条件にいいと思えることは減った」
好きだからこそ、のめり込みすぎるからこそ、感動は薄れていく。
何事にも理由をつけるようになってしまうが、本当にいいものというのはそれを超えてくる。
感受性だけは論理に上書きされてはいけないのだ。
「特別になれなかったら負けでいいんです」
現実はすべてがうまくいくわけではない。
むしろハッピーエンドにならないことのほうが多い。
それを受け入れ、乗り越えて生きていく。
「この世の中は繊細さのない場所だよ」
自分をすべて理解してくれる、そんな世の中ではないのだけれども、
理解して、拾ってくれるひとはいるのだ。
そしてそういう人に出会えたら幸せなのだ。
「数字の一番が何だったか、ということよりも、どの作品が印象に残ったか、の方が圧倒的に存在感がある」
ありふれたトップよりも創造性あふれたニッチを作ること。
それがやりがいというものであり、その人の価値になるのだと思う。
「死ななきゃ花道にならないような古い感動なんて、誰もお前らにやらない」
王道というものは外れてこそ意味がある。
最初に外れる人は奇異の目で見られるが、それこそが価値なのだ。
現状の環境に流されているようでは新しいものは創れない。
彼らみたいに真っ直ぐ駆け抜けて、がむしゃらに走り続けるような、そんな仕事がしたいなぁと思う今日このごろ。