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aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】PSYCHO-PASS/深見真 舞台はシステムに支配された近未来、現実感にあふれている

名言 小説 社会

劇場版も作られた人気アニメのノベライズ

支配された世界で正義を追い求めるSF作品。

僕は、アニメから入ってこの世界観に圧倒された。

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大きな力に支配された近未来における社会

ジョージ・オーウェルの作品、1984年におけるビッグブラザーような存在。

 

人体をスキャンし解析することで、精神状態を機械装置によって測定することができるようになった近未来。

スキャンは街中に張り巡らされた監視カメラ網によって人々を覆いつくす。

そこで測定された精神状態のことをサイコパスと呼ぶ。

 

人の良し悪しは犯罪係数という数値で判断が可能になる。

規定値を超えれば潜在犯として隔離される。

隔離するために潜在犯を捕まえるのが、同じく潜在犯である執行官たち。

厚生省が潜在犯の摘発、そしてストレス管理、メンタルケアを行う。

シビュラシステムという巨大監視ネットワークによって。

 

システムのお陰で犯罪は起こる前に対処される。

システムが監視しているからこそ、安心して外を歩ける世界になった。

「成しうる者が為すべきを為す。これこそシビュラが人類にもたらした恩寵である」

また人生までもシビュラシステムが決めるようになった。

職業に対する適正も、恋愛や結婚相手も、シビュラシステムが教えてくれる。

自分で決めることが少なくなり、言われたとおりにしていれば確かに上手く生きていける。

選択の自由は減っている、道を外すことも少なくなっている。

システムに従っている限りは。

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「科学の歴史は、人間の身体機能の拡張、つまり人間機械化の歴史と言い換えても差し支えない」

本作におけるシステムに支配された社会というものは、現代の延長線上にあるのではないかと思う。

人は、人間の機能を拡張するために便利な技術を開発する。

それによって、人間はしなくてもよいことが増えるのだ。

未来を指し示してくれる機械があれば人は選択すらもしなくなる。

「生殺与奪の権利をシステムに握られているような人間は、人間ではない・・・家畜だ」

現代社会はどうか。

国を管理する政治について、無関心な人が多い。

マスメディアが流す単純化された話に従い、少しずつ縁遠くなっていく国政。

あるいは国がメディアを使って、管理しやすい社会を作っているのかもしれない。

少しずつ、少しずつ方向を変えて、気づいた時には後戻りはできない所まで来ているように。

人は徐々に考えなくなる。

何かに依存したくなる。

そんなときに全能なシステムが現れたら、すがってしまうかもしれない。

 

こうして本作におけるシステムに支配された社会が出来上がるのではないだろうか。

「シビュラに惑わされた人々は、目の前の危機を正しく評価できなくなった」

考えることから遠ざかりつつある国民たちに対して、警鐘をならしている。

 

本作の近未来社会は、シビュラシステムにすべてを支配されている。

主人公は、厚生省で潜在犯の摘発を行う監視官と執行官たち。

彼らの摘発もシビュラシステムによって援護されている。
シビュラシステムが潜在犯を裁く。

そのシステムは完璧だった。

彼らはただの駒だった。

事件が起こるまでは。

 

「法律で人は守れない。俺が果たそうとしてきた務めを果たすには、法の外に出るしかない」
「尊くあるべきはずの法を、何よりも貶めることは何だかわかってる?
それはね、守るに値しない法律を作り、運用することよ」

システムによる支配から抜け出すために、彼らは別々の方法を取る。

中から修正していくのか、一足飛びに外側にでるのか。

どちらが正しいのかはわからない。

短期的、長期的に見た場合にも答えは変わる。

組織を作るために、集団を作るために人は生きるのではない。

人が生きるために、組織や集団をつくり、利用するのだ。

 

「責任を人間ではなくシステムが背負ってくれる」

システムに支配された社会は、システムが正しいという前提に基づいて成り立っている。

だが、前提は本当に正しいのか?

システムの中身も知らずに、信頼できるのか?

捜査を進めるにあたって徐々に募る不安。

 

 

「強くて優れた武器を扱うからこそ、その使い手はより強く、タフでなきゃいけない」

モノに使われるようになってしまってはならない

自分が完全に理解し、使いこなせるものだけで、高望みをしてはならない。

手に余ること、理解できていないことほど恐ろしいものはない。

 

「たとえ失敗に見えても、それが都市を運営する側の計算に組みこまれているのならば、完璧さを傷つけることはない」

逆にシステムから見れば、完璧でないところは隠し通すこと。

間違っている箇所を露呈させなければいい。

それがシステムの正しさを証明する。

 

「だから公安局にはね、私にしかできない仕事がきっとあるって、思ってた。そこに行けば本当の私の人生が・・・この世界に生まれてきた意味が見つかるはずだ、って」

支配された世界において、少しでも自由を求め、選択を求める。

人間らしくあるために。

 

「全体的に、アバターをまとったほうが人は本音に近いことを語りやすいと思う」

匿名性の影に隠れたほうが人間の本性が見える。

その人の立場から離れ、ありのままをさらけ出す。

逆に実名の後ろ側には、目立たず、周囲に合わせるという同調圧力がある。

それからぬけ出すためには有効な手段である。

 

「あいつは信念を持ってる。世の中に本当に必要なのは、ああいうタイプだと思う」
「僕はね、人は自らの意志に基づいて行動したときのみ価値を持つと思っている」

支配され思考停止に陥るのではなく、しっかりと信念を持ち続けること。

信念がなければ事を成しとげることはできない。

自らの信念に従い、意志を持ち、行動すること

本作における支配された社会で、より光り輝く。

輝くのは現代社会でも同様である。

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