aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】イプシロンに誓って/森博嗣 バスジャック、その裏側に真賀田四季

またもギリシャ文字、今度はイプシロン

εに誓って SWEARING ON SOLEMN ε (講談社文庫)

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山吹と加部谷が乗り込んだ高速バスがバスジャックされてしまった。
犯人グループから爆弾を仕掛けたという声明が出される。
乗客名簿にあった「イプシロンに誓って」という団体名はGシリーズに共通するギリシャ文字の事件と関係あるのだろうか。

 

西之園たちが見守りながらバスは疾走する。
この裏側にいるのは誰なのだろうか。
黒幕はあの真賀田四季なのであろうか。

徐々に姿を表してくる真賀田四季 

「以前より、真賀田四季と彼女の活動組織について捜査をしておりまして」
犀川のもとに突如公安の刑事から電話がかかってくる。
彼は真賀田四季の組織を追っているらしい。
今度の事件も それが裏側にあるのだろうか。
その目的とは何なのだろうか。
 

 

あえて言葉にする、そこに潜む違和感

「現代人というのはとにかく言葉に置き換えようとしてしまう」
「言葉にすればどんなものも理由にできる」
今回の事件、真賀田四季が起こしたとしたら、その目的は何なのだろうか。
目的を言葉に表すということ、それ自体がそもそも正しいのだろうか。
目的の言語化、記号の言語化、しかし言葉で表せないものというのも依然として存在しているはずだ。
 

お互いに理解し合っている二人

「自由な深淵には必ずあの女性がいる」
真賀田四季犀川の会話。
もちろん現実で話をしているわけではない。
しかしながら彼の意識の中には常に彼女は存在する。
言葉のやり取り、思考の共有、彼らには何か共通点があるのか。
 

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