aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【雑記】日本の空のこれから~ANAの中期経営計画~

いつも空を見上げると飛んでいる航空機

航空機を運行するのはANAJALに代表されるエアライン。

BoeingのCurrent Market Outlook(市場予測)によると、2015-2034で旅客数は4.9%/年で増加すると見込んでいる。

そして市場を牽引するのはアジア圏で、運行機体数が現在の3倍近くに増えると予測している。

www.boeing.com

 

つまり日本のエアラインは今、攻め時なのだ。

成長市場が少ない現在において、これほどの広がりが見える分野は珍しい。

いま、日本のエアラインはどこに梃入れをするのだろうか。

 

先日、ANAの中期経営計画が発表されたので、それを見てみる。

まず中期経営計画と同時に発表された刺激的なニュースについて。

 

A380を発注

newswitch.jp

ANAは超大型機であるA380を3機発注したとの発表をした。

日本では始めてであり、この機体は、首都圏-ホノルル路線で使われる予定だ。

 

本機体はスカイマークの経営破綻の際にも話題になったラグジュアリー機体である。

総二階建てで、デカイ。

つまり満員近くで運行できれば一人あたりのコストは減る一方、空席が増えた時のダメージは大きい。

また、そもそも1機あたりの価格が高い分、大きな賭けではあるが、JALの牙城となっているホノルル路線を崩す自身があるのだろう。

 

 

ANAの中期経営計画に関して

環境認識

ポジティブ要因:原油価格の下落、訪日需要の拡大、首都圏空港の発着枠拡大

ネガティブ要因:資源市場の低迷による市場不透明感、新興国の景気減速

 

そんな中、戦略の柱は「エアライン事業領域の拡大」と「新規事業の創造と既存事業の成長加速」の2本。

 

事業別計画

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                  (ANA HD 中期経営計画より)

FSCの国内線は、現状維持で、国際線および貨物、LCCに梃入れをする。

特にLCCは第4のコア事業として軸に育てる予定。

ANAはビジネス路線が主であったが、リゾート客の取り込みを測る模様。

ホノルル線のA380もその手段の一つということであろう。

そしてLCCで増加傾向の訪日客を取り込み収益拡大を目指す。

 

▶機体計画

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                  (ANA HD 中期経営計画より)

また、アジア・中南米の未就航スポットに拡大し、設備投資も積極的に行い、国際線を中心に40機増を目指す。

MRJは国内地方路線に就航させる模様。

 

▶目標数

ROA 5.7%(2015年度見込)  → 7.6%(2020年度計画)

ROE 8.1%(2015年度見込)  → 9.8%(2020年度計画)

かなり大きく伸ばす計画を立てている。

攻めのANAが見られそうだ。

 

雑記

最近、ROEを目標値に据えるなど、株価重視の経営が多くなってきたように思う。

確かに、株主目線から見てどれだけ儲かるかというのは、投資判断を大きく左右するので重要ではあると思う。

そしてそれが資本主義だということも理解できる。

 

だが、本当に応援したい企業に投資するという行動も間違いじゃないと思う。

いたずらにROEばかり追い求めて、従業員が働きにくい会社になったり、無駄に借入金が増えるような会社が多くなってはいけない。

半分イカサマのような会計処理を行ってROEを高く見せたりと、小手先の技術が多く出てくることに危機意識を持たねばならない。

その会社の価値は、持っている資産からどれだけ生み出せているかというROAにこそ本質があると思っている。

 

 航空機関連はこちら

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