aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】シルクロードの滑走路/黒木亮 商社マンが主役、航空機を売るお仕事小説

商社マンが主役の航空機を売るお仕事小説

シルクロードの滑走路 (角川文庫)

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主人公は商社マン。

ビジネスの相手は、中央アジアの途上国、キルギス

ビジネスの対象は、航空機。いわゆる航空機ファイナンス。

 

作者は、都市銀行、証券会社、総合商社に勤務経験のある黒木亮

真に迫った、緊迫感のあるディールが描かれている。

 

途上国とのビジネスにおいて、欲望が絡みあう。

馴染みの薄い航空機ファイナンスに関しても、わかりやすく描かれている。

商社のビジネスはこういうものだと教えてくれる。

 

 

「この国の役員や国営企業の社員は、
官僚主義と自己保身の共産主義体質が骨の髄まで染みこんでる」

官僚が国民を支配していると意識と、自分に被害が及ぶことを過度に怯える

挑戦や進歩とは正反対の思想を持っている。

一度染み付いたものを変えるのは難しい。

特に、他人に指摘されて治るようなことは稀である。

自分で気づくことが大切なんだけれども、それもまた難しい。

見つけたら反面教師にしよう。

 

 

「また学校に行けると、涙が止まらなかった」

教育にはお金がかかる。

自分が教育を受けていること、受けたことは当たり前ではなく、非常に恵まれたこと

 

「よかったなぁ、お前、行く所があって」

整備している機体のリース期間が過ぎて、次のリース先に移ることが決まった際に航空機の整備士が言ったセリフ。

手塩にかけたもの、愛情を込めたものがあるというのは羨ましい。

それが、仕事の結果であることがなおさら羨ましい。

そんな仕事をしたい。

 

「人生は一幅の絵のようなものだ。わたしは誰よりも大きく美しい絵を描きたい」

大きな志と大きな夢をもったキルギス人女性のセリフ。

目指すことがあり、それに対して無我夢中になる人は応援したくなる。

そうやって人を魅了する人こそ、人望がある人だ。

 

「表面は穏やかだが、その下に哀しみが溢れ、自由への渇望が渦巻いている。
暗い底なし湖のような目だ」

仮面をかぶることを余儀なくされ続けた結果、染まってしまった。

社会という巨大な恐ろしいものに。

 

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