【読書】雪煙チェイス/東野圭吾 雪山を舞台とした容疑者と刑事の追いかけっこ
警察から逃げろ、そして女神を探せ
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東野圭吾は、雪山を舞台とした小説がそこそこある。
雪山というかウインタースポーツだろうか。
本作もその一つ。
殺人事件の容疑者として疑われた主人公の脇坂。
殺害現場に彼の指紋があった。
そして凶器として疑われている犬のリードが彼の家にあった。
だが、彼は無実、何もやっていないのだ。
彼は考える。
このままでは警察に捕まり、何も弁解できないのではないかと。
そして、彼は思い出す。
殺人事件があったころ、彼は雪山にいた。
そしてその時、美人スノーボーダーに出会っていたのだ。
彼女に会えば、証言してもらえば、彼の無実は証明できる。
だが、難題が一つ。
彼女の連絡先はおろか、名前すら知らないのだ。
顔だけ覚えている、ただそれだけ。
しかしながら、頼みの綱は彼女だけ。
広大な雪山に、彼女を探しに行くしかない。
雪山で出会う、多くの人々。
そして巻き起こるハプニングの数々。
敵だと思っていたら味方、味方だと思っていたら敵。
最後まで息もつかせぬスピードで滑走する物語。
続きを読む【読書】悪意/東野圭吾 記録そのものを主題にしようと企んだ壮大なミステリ
教師を辞めて刑事になったという異色の経歴
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東野圭吾の加賀恭一郎シリーズ。
加賀は元教師。
教師を辞めて刑事になったという異色の経歴をもつ主人公。
シリーズものになっており、彼は魅力の詰まった人間である。
剣道の達人であり、人を見抜く力、そして論理に裏打ちされた推理力。
本作は加賀が、刑事になってからまだ日が浅い中の出来事。
この作品は、主人公および登場人物が書いた手記である。
それぞれの登場人物の視点から見た事件とその周りの出来事。
そもそもそれが鍵になってくるとはまだ誰も知るよしもない。
犯人は序盤で明らかになる。
だが、わからないのは動機。
語ろうとしない犯人、徹底的に調べたい加賀。
二人の駆け引き、そして捜査が息もつかせぬ展開につながっていく。
犯人探しではなく、動機探しのミステリ。
本というものでのみ描かれうる魅力を余すところなく伝えてくれる。
続きを読む【作品リスト】読みやすさ満天の理系ミステリ作家、東野圭吾
東野圭吾の作品は、科学技術とそれを使う人間たちへの問いかけが多い。
小説が考えるキッカケとなる。
①ガリレオシリーズ
主人公は天才物理学者。
彼の信念と科学に対する思いを知る。
容疑者Xの献身/彼女達は座標軸を与えてくれる
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真夏の方程式/庇う辛さ、庇われる辛さ
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②加賀恭一郎シリーズ
このシリーズで彼が描くのは、忘れられた日本の人情味あふれる姿。
新参者/日本橋署に着任した加賀、そこではまだ新参者
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祈りの幕が下りる時/加賀の過去が明らかになる
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③マスカレードシリーズ
ホテルマンと刑事のシリーズ二作。
デコボココンビがホテルという不思議な空間で起こる事件の数々を解決する。
マスカレード・ホテル/刑事がホテルマンに変装する
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マスカレード・イブ/刑事もホテルマンも、仮面をかぶった職業である
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④シリーズ物以外にも
放課後/デビュー作
東野圭吾という作家の原点は、ここにある。
得体の知れない集団という恐ろしさを描く。
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夢幻花/貴重な花を巡る事件
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鳥人計画/スポーツに科学はどれだけ必要か
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変身/心臓が止まらない限り、死は訪れないのだろうか
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人魚の眠る家/死とはなんだろうか。
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天空の蜂/国家の問題に対し、無関心を決め込む国民に対するメッセージ
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虚ろな十字架/死刑という罰はどれだけ有効か
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