aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】雪煙チェイス/東野圭吾 雪山を舞台とした容疑者と刑事の追いかけっこ

警察から逃げろ、そして女神を探せ

雪煙チェイス (実業之日本社文庫)

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東野圭吾は、雪山を舞台とした小説がそこそこある。

雪山というかウインタースポーツだろうか。

本作もその一つ。

 

殺人事件の容疑者として疑われた主人公の脇坂。

殺害現場に彼の指紋があった。

そして凶器として疑われている犬のリードが彼の家にあった。

 

だが、彼は無実、何もやっていないのだ。

彼は考える。

このままでは警察に捕まり、何も弁解できないのではないかと。

そして、彼は思い出す。

殺人事件があったころ、彼は雪山にいた。

そしてその時、美人スノーボーダーに出会っていたのだ。

 

彼女に会えば、証言してもらえば、彼の無実は証明できる。

だが、難題が一つ。

彼女の連絡先はおろか、名前すら知らないのだ。

顔だけ覚えている、ただそれだけ。

 

しかしながら、頼みの綱は彼女だけ。

広大な雪山に、彼女を探しに行くしかない。

 

雪山で出会う、多くの人々。

そして巻き起こるハプニングの数々。

敵だと思っていたら味方、味方だと思っていたら敵。

最後まで息もつかせぬスピードで滑走する物語。

警察に疑われてしまった主人公

「おまえのところに警察の人間が来ると思う」

脇坂は周りの人間にこう伝える。

自分は疑われている、だから助けてほしいと。

人によっては直ぐに理解してくれる場合もある。

逆も然り。

追いつめられた時、頼りになる人はどれだけいるのだろうか。

自分のこととして考えてみたくなる。

 

 

諦めずに続けることはできますか?

「自分には何かができるんじゃないかと思ってる」

人は、何かを成し遂げたいという気持ちがある。

皆、そうではないだろうか。

だが、最後までそれを貫き通せる人はほんの一握り。

多くは、色々な要因で諦めてしまう。

強くあり続けることはかくも難しいことなのか。

 

中途半端ではなく、全身全霊をかけて

「あっちもこっちも適当にうまくやって、なんていう甘い考えは、たぶん通用しない」

大きな決断をする登場人物。

今までやってきたことをすっぱりとやめて、新しいことに挑戦する。

その中で、中途半端を嫌う。

100か0、それくらい全力をかけないとその選択に対して失礼だと考える。

選んだ道を全力で。

それぐらいやるべきなのだ。

 

長いものに巻かれ、保守的になっていないか?

「一寸の虫にも五分の魂がある、その魂を集めれば必ず大きな力になるはずだ」

大きな企業によりかかるのではなく、小さな村民でも力を合わせればなんとかなる。

皆、力を、やる気を持っているのだから、諦めてしまってはいけない。

そうやって強くなったスキー場。

自分たちの地元は自分たちで守っていくのだ。

この心意気があれば、地方創生など、朝飯前なのではないか。

自分でリスクを取ること、それも大事なんだよと気づかせてくれる。

 

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