aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】きみはポラリス/三浦しをん 多様な関係性の中で人は恋をする

恋愛と言っても形は様々、三角関係、同性愛、片思い

きみはポラリス (新潮文庫)

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¥637から

恋愛をテーマにした短編集。

 

多種多様な関係性の中で人は恋をする。

一つのポラリスへ向かってまっすぐに。

「夜道を照らす、ほの白い一等星のように」

「腐れ縁というのは、いつまでたってもそれなりに食える納豆みたいなものなのか」

三浦しをんの独特の表現。

昔からの知り合いについて登場人物の心象。

腐れ縁とはいいながら、なんだかんだ切っても切れない、嫌いじゃない。

そういう関係性を美しく描く。

大切なことは人それぞれ

「私も国のためになるようなことはしたことがないな」

学ぶために大学まで出て、だけれどもすぐに家業に入ることを恥じる女性。

彼女に対して教授はこう返答する。

国のために働くことだけが学ぶ目的じゃない。

人は自分の仕事をしながらお金以外の何かを得る。

何かはひとそれぞれ。

自分が欲しいものを探し、それが得られる仕事につくこと。

それが自分で選んだ人生になる。

 

 

「その世界を狭いと感じる人がいるでしょうか」

世界の広さは人それぞれ。

自分の活動の範囲がその人の世界の広さではない。

自分が何を考えているか、どう考えているか。

どれだけ自分の中に恵みを得ることができているかが本質。

 

経済原理はあくまでゲーム、本質ではない

「経済ゲームに乗らなければ、生活も仕事もできはしない」

仕事をしてお金を稼ぐ。

それはあくまでゲームなのだ。

経済、資本主義という枠組みの中でのみ成立するゲーム。

なぜならお金なんて、価値はみなが信じているだけなのだから。

そのものに価値などない。

ゲームの中で上手く立ち回り、かつ自分のやりたいことをする。

それが最も難しいのだが、重要なのだ。

 

伝えることの難しさ

「並んで夜空を見上げるひとに、正確に伝わっているのかどうかはわからない」

星空を指差し、説明しても、お互いに見ている場所がどれかは確認することができない。

そんな歯がゆさ、もどかしさを感じることは日常生活でも多い。

なぜなら相手が何を考えているかわからないから。

歯がゆさの積み重ねが社会で生活するということなのだろうか。

 

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