【読書】きみはポラリス/三浦しをん 多様な関係性の中で人は恋をする
恋愛と言っても形は様々、三角関係、同性愛、片思い
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恋愛をテーマにした短編集。
多種多様な関係性の中で人は恋をする。
一つのポラリスへ向かってまっすぐに。
「夜道を照らす、ほの白い一等星のように」
「腐れ縁というのは、いつまでたってもそれなりに食える納豆みたいなものなのか」
三浦しをんの独特の表現。
昔からの知り合いについて登場人物の心象。
腐れ縁とはいいながら、なんだかんだ切っても切れない、嫌いじゃない。
そういう関係性を美しく描く。
大切なことは人それぞれ
「私も国のためになるようなことはしたことがないな」
学ぶために大学まで出て、だけれどもすぐに家業に入ることを恥じる女性。
彼女に対して教授はこう返答する。
国のために働くことだけが学ぶ目的じゃない。
人は自分の仕事をしながらお金以外の何かを得る。
何かはひとそれぞれ。
自分が欲しいものを探し、それが得られる仕事につくこと。
それが自分で選んだ人生になる。
「その世界を狭いと感じる人がいるでしょうか」
世界の広さは人それぞれ。
自分の活動の範囲がその人の世界の広さではない。
自分が何を考えているか、どう考えているか。
どれだけ自分の中に恵みを得ることができているかが本質。
経済原理はあくまでゲーム、本質ではない
「経済ゲームに乗らなければ、生活も仕事もできはしない」
仕事をしてお金を稼ぐ。
それはあくまでゲームなのだ。
経済、資本主義という枠組みの中でのみ成立するゲーム。
なぜならお金なんて、価値はみなが信じているだけなのだから。
そのものに価値などない。
ゲームの中で上手く立ち回り、かつ自分のやりたいことをする。
それが最も難しいのだが、重要なのだ。
伝えることの難しさ
「並んで夜空を見上げるひとに、正確に伝わっているのかどうかはわからない」
星空を指差し、説明しても、お互いに見ている場所がどれかは確認することができない。
そんな歯がゆさ、もどかしさを感じることは日常生活でも多い。
なぜなら相手が何を考えているかわからないから。
歯がゆさの積み重ねが社会で生活するということなのだろうか。
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