【読書】NASAより宇宙に近い町工場/植松努 憧れを高望みと切り捨てる社会に立ち向かう田舎の町工場
北海道にロケット開発を行う町工場がある
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従業員20人の小さな工場だが、世界有数の実験設備を持ち、研究者も多く訪れる。
驚くべきことに、本業とロケット開発は全く無縁。
ロケット事業は利益を出していない。
その代わり、知識と夢を生んでいる。
「どうせ無理」という言葉を根絶させたいと著者は言う。
頑張っている人間を笑うことで、自分は楽をするような人が増えている。
でもそれは、楽しくない。
北海道の町工場でもロケット開発が出来るんだと証明して、
子供たちに勇気を、国民に勇気を与えることこそ、著者の目的だ。
非常に熱い。
そしてカッコいい。
身近にこんな大人がいれば、夢を持った子供たちが育つのだろう。
今の閉塞感に包まれた日本を憂いて、行動を起こしている。
少人数でもやれば出来るのだ。
やらないからできないのだ。
成功するまでやりなさい、と。
地域のため、日本のために
「僕たちはここで何とか子どもたちが働ける環境をつくれないかな、この町をよくできないかな、と思ったりもしています」
社会のためになることをする。
それが根底にあるからこそ言える発言だと思う。
東京にある大企業では、微塵も出てこないであろう言葉。
何のために会社はあるのかにも繋がる。
「日本に住むたくさんの人たちがあいつらのためだったら、500円くらい出してもいいかなと思うようなプロジェクトになること」
利益を求めるためだけじゃなく、皆が協力できるような形で、皆が望む形でのプロジェクト。
いいと思ったことを応援すること。
それが本来の姿。
好きと憧れが生む努力と頑張り
「好きという心がなければ、よりよくすることはできません」
好きなことが仕事でなければ、頑張ることはできない。
お金を稼ぐ手段だと考えてしまえば、テキトーに終わらせてしまう。
だからこそ、好きという気持ちをしっかり拾って、組織にするべきなのだ。
「新しいことをやらない理由や変化しない理由を、一生懸命という言葉で正当化してはいけないんじゃないかなあ」
他のことに脇目もふらず一生懸命にやりなさいという言葉は、他のことをやらない自分を正当化する言葉である。
ただ、自分ができないだけ。
新しいことをどんどん胸を張ってやらないと進歩はない。
進歩しなければ何も生まないのだけれど、それをわかっていないのが一生懸命に逃げる人たちだ。
「信じるというのは、自分自身の覚悟のはずです。
誰かが信じてくれないと不満を言ってもしかたありません。
自分で信じることです」
他人は、好き勝手言える。
他人の憶測の評論なんて鵜呑みにしてはならない。
笑い飛ばせるほど、自分を信じ続けることが大事なのだ。
「なぜこんな世界になってしまったのか、それは憧れが高望みだと言われるからです」
憧れるからこそ、努力して、頑張るのだ。
その憧れ自体を否定するような社会に対して疑問を投げかける著者。
自分の実体験を見せることで、憧れることは正しいことなんだ。
自分を信じて進み続けることは、間違っていないと表現している。
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