【読書】ラムダに歯がない/森博嗣 真実とはどこにあるか?自分が感じたことが答えか?
ギリシャ文字のシリーズもついに5作目
新品価格 |
事件の関連性に気付いてきた人物も増えてきた。
Gシリーズも、もう5作目だ。
今回は完全に施錠されていた研究所で4人の自殺死体が発見された。
至近距離から撃たれており、全員のポケットにラムダに歯がないと書かれたカードが入っていた。
そして死体の歯は抜かれていた。
それが何を意味するのだろうか。
謎だらけの事件、今までのギリシャ文字の事件と共通するものなのだろうか。
Vシリーズに出てきた保呂草はこっそりと、しかし存在感のある登場をする。
探偵の赤柳は一体何者なのか。
事件の裏側には誰がいる?
「系列である可能性を疑ってかからないといけませんね。あるいはそれを偽装しようとしたのかもしれません」
連続したギリシャ文字にまつわる事件たち。
今回もその一つなのだろうか。
そうであれば裏側にいるのはもちろんあの人ではないだろうか。
常識的、平均的という誤魔化し
「考える人間の数が量的に多いか少ないかで、常識的平均的なものが決まっているにすぎない」
平均とは、そして常識とは一体何なのだろうか。
結局は固定観念でしかない。
その固定観念は何によって作られるのか。
人間の多数派の意思によるもの。
つまりは対して意味のないものというわけだ。
仕事は賃金との引き換え?
「仕事って大方つまらないもの。つまらないことをするから代償として賃金がもらえる」
犀川にとって研究は仕事なのだろうか。
どうやらそれは違うらしい。
彼にとって研究は仕事ではない。
研究ができるという餌で釣られて大学に勤めているが、そんなのはいつまでもさせてもらえない。
本来働くというのは楽しいから働くのであろう。
「人間って結局は自分の人生しか知らない。自分の時間しか経験していない」
他人の考えをどこまで深く理解できるか。
そこには結局、他人であるという大きな壁が立ちはだかる。
人間は自分自身の人生しか経験していない。
共通化することはなかなか難しいのだ。