aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】ラムダに歯がない/森博嗣 真実とはどこにあるか?自分が感じたことが答えか?

ギリシャ文字のシリーズもついに5作目

λに歯がない λ HAS NO TEETH (講談社文庫)

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事件の関連性に気付いてきた人物も増えてきた。
Gシリーズも、もう5作目だ。
今回は完全に施錠されていた研究所で4人の自殺死体が発見された。
至近距離から撃たれており、全員のポケットにラムダに歯がないと書かれたカードが入っていた。
そして死体の歯は抜かれていた。
それが何を意味するのだろうか。

 

謎だらけの事件、今までのギリシャ文字の事件と共通するものなのだろうか。
Vシリーズに出てきた保呂草はこっそりと、しかし存在感のある登場をする。
探偵の赤柳は一体何者なのか。

事件の裏側には誰がいる? 

「系列である可能性を疑ってかからないといけませんね。あるいはそれを偽装しようとしたのかもしれません」
連続したギリシャ文字にまつわる事件たち。
今回もその一つなのだろうか。
そうであれば裏側にいるのはもちろんあの人ではないだろうか。
 

常識的、平均的という誤魔化し

「考える人間の数が量的に多いか少ないかで、常識的平均的なものが決まっているにすぎない」
平均とは、そして常識とは一体何なのだろうか。
結局は固定観念でしかない。
その固定観念は何によって作られるのか。
人間の多数派の意思によるもの。
つまりは対して意味のないものというわけだ。
 

 

仕事は賃金との引き換え?

「仕事って大方つまらないもの。つまらないことをするから代償として賃金がもらえる」
犀川にとって研究は仕事なのだろうか。
どうやらそれは違うらしい。
彼にとって研究は仕事ではない。
研究ができるという餌で釣られて大学に勤めているが、そんなのはいつまでもさせてもらえない。
本来働くというのは楽しいから働くのであろう。
 
「人間って結局は自分の人生しか知らない。自分の時間しか経験していない」
他人の考えをどこまで深く理解できるか。
そこには結局、他人であるという大きな壁が立ちはだかる。
人間は自分自身の人生しか経験していない。
共通化することはなかなか難しいのだ。
 

「無理に考えない方がいいこともある自分の感じたことが答えということにしておこう」

 

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