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aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】笑うハーレキン/道尾秀介 仮面を外すとき、世界が変わる

仮面を外すとき、世界が変わる

相変わらず、大好きです、道尾秀介

笑うハーレキン (中公文庫)

新品価格
¥756から

人は仮面をかぶりながら生きている。

主人公は、家族を失い、会社も失った家具職人の男。

傍らに謎の影を伴い、空き地で仲間たちと暮らす日々。

そこに突然一人の女性が加わる。

まさに謎の女、疫病神か。

 

続けて起きる、非日常な出来事。

突如舞い込む大口の依頼。

何かがおかしい。

危険から逃れながら、自分の過去と向き合いながら、駆け抜ける。

 

仮面を外すとき、世界が変わる。

この本が好きな人は、きっと透明カメレオンも好きだと思う。

aichikenmin-aichi.hatenablog.com

 

 

「周囲の人間が止めなければいけない。取り返しのつかないことが起きてしまう前に」


交通事故にまつわる話。

他のことでもきっとそう。

本人は気付かないけれども、周りが何となく察していることって多いのではないか。

そういうときに、迷わず声をかけれるような、そんな人間であり、世界でありたい。

 

「偉い人は殺したくなくて、そうじゃない人なら殺すのかよ」

人の命に価値の大小なんてない。

不特定多数の中の一つになんてならない。

一つの命に一つの人生。

近頃痛ましいニュースが多くなっているが、それぞれに大事な命が関わっているのだ。

しっかり心に留めておくべきなのだ。

 

「ピエロも道化師も、素顔がまったく見えません。
だから人によっては怖がるんだと思います。」

ピエロや道化師は仮面の下に、見えない素顔がある。

仮面は笑っているけれども、その下の素顔は違う。

表情と言動が一致していなかったりすると恐ろしい。

仮面の裏側にある不確かさというものが恐怖の源か。

 

 

「お面というのは、何かの役割を演じるのと、
本当の自分を隠すのと、きっと両方の役割があるんですね」

仮面は、相手に不確かを与えるが、本人にも与えるものがある。

それが、何かを演じることと隠すこと。

知らず知らずのうちに自分でない誰かを演じており、本当の自分を隠すことも多い。

ネコをかぶっているというように意図的にやっている場合もあれば、無意識下でやっていることもある。

自分を守るために。現実から目を背けるために。

決して、現実から目を背けることは悪いことではない

いきなり直視できない場合もある。

充分に慣らし運転をしてから行きましょう。

 

「何かをつくりたかったんです。自分がここにいる証拠みたいなものが欲しかったんです」

この気持ち、すごくわかる。

自分が、ここに居て良いんだという安心感、存在を許されること。

自分は何のために存在するのか、その答えを、答えの一部でも得られるような気がして。

例えば社会に出て働くということもそう。

自分が労働をして、その対価として、社会との繋がりを感じる。

少しでも繋がりを感じていると、社会に認められているような気になる。

もちろん、気になるだけ。

別に給料をもらっているから偉いわけでは全くない。

いわゆる世間の目に対して、対抗しうるような気がするだけ。

じゃあ何で働いているのでしょうか、うーん難しい。

 

「自分を守るため、誰かを守るため、みんな懸命に素顔を隠して生きている」

別に隠していることが悪いのではない。

むしろそうやって生きることが優しさである。

ゆっくりと慣らし運転をしてから進みましょう。

 

aichikenmin-aichi.hatenablog.com