【読書】夜は短し歩けよ乙女/森見登美彦 もどかしくなるようなファンタジー恋愛小説
もどかしくなるようなファンタジー恋愛小説
こじらせ系先輩と天然系後輩のもどかしくなるようなファンタジー恋愛小説。
中村佑介さんの表紙の絵が好きです。
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4つの物語がはいっており、徐々に進展(?)していく。
登場人物は基本的に変人ばかり。
文化祭の話が、テンポもよく好きですね。
「若人よ、自分にとっての幸せとは何か、それを問うことこそが前向きな悩みだ。
そしてそれをつねに問い続けるのさえ忘れなければ、人生は有意義なものになる」
自分にとって幸せとはなんだろうか。
普段仕事していると、忙しいという理由をつけて、ボーッと考える時間を無くしてしまう。
週末2日の休みを得るために、週5日の労働をしているというイメージから抜け出せないのはなぜか。
自分の中で、幸せというものが定義できないからこそ、
普段の生活において、平日は束縛されているから、休日が幸せという幻想に陥っているのだろうか。
平日がマイナスで休日がプラスマイナスゼロ、相対的に休日が幸せという残念思考。
ネガティブな気分になったら、この言葉思い出したい。
「我々は無意識のうちに本との出会いを選んでいるのでしょう」
最近、Amazonに負けて本屋が儲からない、廃業も相次ぐという話を耳にする。
ただ、偶然手に取るという感覚は、本屋でしか得られないと僕は思う。
手に取る厚みや、手触り。
そういう出会いを求めるために、僕は本屋に行っているし、これからも行き続けるだろう。
「君は、埋め立てた外堀で暢気に暮らしてるのが好きなのさ」
なかなか後輩にアタックしない先輩に向けた一言。
外堀を埋める行為では、自分が傷つくことはない。
攻めることで、得られるものはあるだろうが、傷つくリスクも存在する。
人が思いきれないときに、こういう言葉をかけてあげたい。
ただ、自分がかけられたら嫌だな。
解説にかえて、羽海野チカさんが絵を書いておられる。
素晴らしい。
3月のライオン、大好きなんです。