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【読書】イノベーションはなぜ途絶えたか/山口栄一 昔は技術大国、今は見る影もなし

イノベーターがいない国、日本

イノベーションはなぜ途絶えたか: 科学立国日本の危機 (ちくま新書1222)

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日本は今、成長しているのだろうか。
おそらくほとんどの人がそうではないと感じているはずだ。
だからこそ、金融政策という見せかけの剣を使って推し進めようとしているのだ。
そう、今日本は、沈み行く船と言える。
原発事故、シャープ買収、日本企業の弱さがここにある。
昔は技術大国と呼ばれた国。
今は見る影もない。
日本に不足しているのはどのような人材だろうか。
それはイノベーターと呼ばれる技術と経営の両方に対して知見を持つ人材であろう。
 

 

正しい技術を持っているだけではならない。
技術をどう使うか。
何に価値を見出すか。
それができる人間たちがいま、世界を動かしている。
消費者が何に価値を持ち、何を欲しがっているか。
高い技術を欲しがっているのではない。
彼らが求める価値の本質を見極める。
それがイノベーター。
アメリカは 彼らを見つけ、成長させるシステムを作った。
日本もそれを真似して、形だけを作った。
 
日本の問題点と、我々に不足しているもの。
それを明らかにする本書。
問題の根本はどこにあるのか、目を背けることは許されない。

短期的な視野に基づく、技術欠乏

「 日本はリスクに挑戦する力を失い、研究開発で想像してきた多くの新技術を、経済価値に変えることに失敗した」
技術を育てるには長い目で見ることが必要だ。
そして技術の芽を拾い上げることができるのは、技術がわかる経営者だ。
経営者が育つ環境が無かったのだ。

 

 

専門家の乱立が経営者の不足を引き起こした

「 文系には科学技術リテラシーを、理工系には社会リテラシーを身に付けることが求められている」

 企業が起こす、さまざまな事故。

それらは経営の問題。

そして経営者が技術を知らなかったことに起因する技術経営のミスと著者は言う。

様々な分野が専門化しすぎ、専門性だけある人間が増えてきたのだ。

問題の本質は、技術と経営の両方を俯瞰できる人材が育っていないこと。

 

減点法ではなく加点法に転換すべき

「 減点法の世界におけるリスクマネジメントは、想定外のことが起きた時にいかに被害を最小限にとどめるかではなく、いかにリスクに近寄らないかという発想に陥ってしまいがち」
リスクを取らないで何も得られるものはない。
短期的にはいいのかもしれない。
しかしながら、長期的に見た場合、そんな集団から価値が生まれるのか。
 

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