aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年/村上春樹 自分が見たいものを見るのではなく、見なくてはならないものを見るのよ

新刊がでると毎回話題になる村上春樹

食わず嫌いはやめようと思い、また文庫化のタイミングだったので購入。

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 (文春文庫)

新品価格
¥788から

名古屋が出てくるのと、帯の

「自分が見たいものを見るのではなく、見なくてはならないものを見るのよ」

というフレーズに惹かれた。

主人公が、仲の良かった友人たちから距離を置かれた原因を探す旅にでる。

 

 

人生を歩くということ

「限定して興味を持てる対象がこの人生でひとつでも見つかれば、それはもう立派な達成じゃないですか」

意味を模索する、楽しいことを探すこと、自分の人生の目的になるのだ。

何のために生きているのかと問われた時に、僕はどのように応えることができるだろうか。

なかなか考えることが難しいし、目を背けたくなることではあると思うが、日常生活の中で考えるべきである。

意味が見つかっていないからこそ、考えることから逃げているのではないか。

自分の今の立ち位置と目指すべき方向性を見誤らないためにも。

 

「人に使われている限り、つまらんことはいっぱいあるさ」

自分と雇い主の考えが全くおなじなんてことはありえない。

だから時には理不尽なことにも遭遇する。

そんなときにどうしたらいいのだろうか。

理不尽を理不尽と突っぱねるのか、多少曲げて流すのか。

こだわるのか否かは、興味を持てる対象であるかどうかと同義になるのだろう。

 

「誰だって重い荷物は好きじゃないさ。でも気がついたときは重い荷物だらけだ。それが人生だ。」

重い荷物は、簡単に下ろせない。

ただ何を荷物かと思うかにもよる。

荷物と一緒に歩いていける、そういうこともあるだろう

 

 

満員電車は苦手です

「人の生涯のどれくらいの時間が、この意味のない移動のために奪われ、消えていくのだろう?
それはどの程度人々を疲弊させ、すり減らしていくのだろう?」

都会の満員電車で奪われる時間とすり減らされる自分。

今度、電車に乗った時に思い起こして、テンションが下がりそうな予感。

しかし、東京の満員電車は異常、そしてあれを普通だと受け入れている都会は恐ろしい。

 

「形あるものをこしらえるのは良いことだ。世の中の役に立つことだ。」

ものづくりは目に見えるから分かりやすい。

では目に見えないものはどうだろう、形のないものはどうだろう。

自分のやっている仕事は世の中の役に立っているのだろうか。