【読書】東京どこに住む?/速水健朗 あなたは何を重視して住む場所を決めますか?
住居選びの視点が変わってきた昨今
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東京には人が集まる。
人にあふれている。
じゃあどこに住むのがいいのだろうか。
人が集まるのは、会社や大学がたくさん集まっているから。
会社の近くに住むのがいいのか。
だが、都心は家賃やマンションも高い。
通勤時間の長さと出費の兼ね合いで決めている人が多いのだろうか。
本書はそれ以外にも要因はあるという。
それは人との繋がり、距離感である。
都心は人と人との距離が近い。
匿名性の中に、近隣の付き合いやグループができるといった可能性がある。
自分の居住地に目を向け、場所を変えるというアクションをするのもいいかもしれない。
自由に動けるのは若いうちだけなのだから。
そうだ、引越しをしよう。
そう思わせてくれる一冊。
住む場所、どこが人気?
「「共同体に帰属している」「歩ける」などの項目で、文京区が1位」
下町の情緒を残しながら、歩ける規模で発展している。
その代表格が谷根千なのだ。
都会と言えば、周りとの繋がりが希薄で、匿名の消費者たりえる場所というイメージが強い。
だが、そうではないという価値も近年において見直されている。
都会の中においても、繋がりを求める。
自分で選んだ繋がりの中に身を置くということが住居選びにおける重点課題である。
匿名性から繋がりへ
「都市が持っている匿名性と地元が持っている根付いて暮らす感覚、この両者を併せ持った場所が、今どきの住みたい場所の理想形ではないだろうか」
東京で一人暮らしをしている人は、寂しさというものを感じることも多いのだろう。
だからこそ繋がりを求める。
会社だけでなく、大学だけでなく、その外側の繋がりを。
知り合いが少しでもいる街に住んでいると、急にホームグラウンドになるのだ。
どうせ住むなら居心地のいい場所に住みたいものだ。
「静かな陰の住む場所から、にぎやかな場の住む場所へ、人の住む場所の憧れが変化しているとみることができる」
一時期、郊外に住むブームが訪れた。
都会の喧騒から離れ、静かな郊外でゆっくりとした時間を過ごしたい。
そんなニーズから、暖かい場所に住みたいというニーズに変わりつつある。
喧騒とまではいかないが、そこそこ賑やかな場所。
一端希薄になった近隣の付き合いを再び求めるようになった。
「都心部に住むこととは、他人の近くにいることである」
他人の近くにいると、お互いに学び合い、頭が良くなる。
ある経済学者はこういう主張をしているそうだ。
確かに、人と人との会話の中での気付きは非常に多い。
それはパッシブに本を読んでいるだけでは身につかない部分もある。
もちろんどういう人々と話すかにもよるのだが。
別の考えを持っている人との触れ合い
「アイディアは同じ知識、同じ言葉しか持たないもの同士がいくら顔をつきあわせても生まれるものではない」
これはまったくもってその通りだと思う。
例えば会社の中での付き合いしかない場合は、彼らの中にある知識で閉じてしまう。
全く別の視点、別のグループに属する人との会話こそ面白いのだ。
凝り固まった頭をどれだけ並べてもブレイクスルーは起きない。
だからこそ閉じた集団というものを失くすべきである。
「都市で暮らすということが、自分を成長させる機会になる。または、いい仕事に巡り会う機会の確率を高くすることになる」
都市部では人と人との距離が近くなる。
だから偶然、何かに巡りあうという確率も高いのだ。
希薄な宇宙空間で誰かに会う確率と、凝縮された都会で他人と出会う確率の違い。
その場所にいるだけで何かを得られる可能性をもつ。
自分はどういう空間に住みたいのか、再度考えさせられる。
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