【読書】色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年/村上春樹 自分が見たいものを見るのではなく、見なくてはならないものを見るのよ
新刊がでると毎回話題になる村上春樹
食わず嫌いはやめようと思い、また文庫化のタイミングだったので購入。
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名古屋が出てくるのと、帯の
「自分が見たいものを見るのではなく、見なくてはならないものを見るのよ」
というフレーズに惹かれた。
主人公が、仲の良かった友人たちから距離を置かれた原因を探す旅にでる。
人生を歩くということ
「限定して興味を持てる対象がこの人生でひとつでも見つかれば、それはもう立派な達成じゃないですか」
意味を模索する、楽しいことを探すこと、自分の人生の目的になるのだ。
何のために生きているのかと問われた時に、僕はどのように応えることができるだろうか。
なかなか考えることが難しいし、目を背けたくなることではあると思うが、日常生活の中で考えるべきである。
意味が見つかっていないからこそ、考えることから逃げているのではないか。
自分の今の立ち位置と目指すべき方向性を見誤らないためにも。
「人に使われている限り、つまらんことはいっぱいあるさ」
自分と雇い主の考えが全くおなじなんてことはありえない。
だから時には理不尽なことにも遭遇する。
そんなときにどうしたらいいのだろうか。
理不尽を理不尽と突っぱねるのか、多少曲げて流すのか。
こだわるのか否かは、興味を持てる対象であるかどうかと同義になるのだろう。
「誰だって重い荷物は好きじゃないさ。でも気がついたときは重い荷物だらけだ。それが人生だ。」
重い荷物は、簡単に下ろせない。
ただ何を荷物かと思うかにもよる。
荷物と一緒に歩いていける、そういうこともあるだろう。
満員電車は苦手です
「人の生涯のどれくらいの時間が、この意味のない移動のために奪われ、消えていくのだろう?
それはどの程度人々を疲弊させ、すり減らしていくのだろう?」
都会の満員電車で奪われる時間とすり減らされる自分。
今度、電車に乗った時に思い起こして、テンションが下がりそうな予感。
しかし、東京の満員電車は異常、そしてあれを普通だと受け入れている都会は恐ろしい。
「形あるものをこしらえるのは良いことだ。世の中の役に立つことだ。」
ものづくりは目に見えるから分かりやすい。
では目に見えないものはどうだろう、形のないものはどうだろう。
自分のやっている仕事は世の中の役に立っているのだろうか。