【読書】プラチナエンド/大場つぐみ・小畑健 天使の力をどう使うのか
天使の力をどう使うのか
言わずと知れたデスノートのお二人。
一部では、天使版デスノートと呼ばれているらしい。
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天使の力をもらった少年が、同様の力をもつ12人と対決するという話。
最後の一人になったら神になれる。
ただ、天使の力の中には、人を殺す能力もある。
夜神月とは違って積極的に人を殺しにいかない主人公。
どちらかと言えば巻き込まれ型。
だが、ライバルたちの中には好戦的な人間もいる。
デスノートにはすごくハマったこともあり、
今回も息もつかせぬ知能戦があるのではと期待して購入。
今回の連載は週刊の方のジャンプではなく、月刊の方のジャンプなので次巻が待ち遠しいということになりそう。
ただ、第二巻は5月の発売なので、週刊とは違って一回のページ数が長い模様。
デスノートもそうだったが、力を得る人によって使い方が変わる。
夜神月の場合は、他に同様の力を持つ人間がおらず、
彼の使い方がベースとなり話が進んでいった。
今回は、同じ力を持った人間たちが、それぞれ違った使い道を見出す。
力を得る人間には、それを制御する知性も求められる。
何を持っているかではなく、どう使うのか。
そういったメッセージを感じる。
「人は誰しも幸せになるために生まれ、
人は誰しもより幸せになるために生きている」
主人公のお母さんの言葉であり、主人公はこれを信条としている。
これに次の文章が繋がる。
「自分が幸せでなければ人の幸せを素直に喜べない。
逆に皆が幸せでなければ自分だけ幸せでも素直に喜べない」
これは作者が一番言いたい言葉なのかなと感じた。
他人を蹴落として得られる幸せなんて本当に幸せなのだろうか。
資本主義の考え方は、強いものが弱いものを食うのは自然なこと。
だが、社会全体がいい方向に向くためには、それだけではいけない。
どうやったら皆が幸せになれるのか、力を持った人たちがどう考えれば上手くいくのか。
他人の不幸を嬉しがるような、そんな寂しい社会にはしたくない。
社会主義ではないにしろ、その中間ぐらいの皆が幸せな社会。
一億総活躍よりも一億総幸福な社会になってほしいものだ。
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