【読書】ZERO 猟奇犯罪捜査班 藤堂比奈子/内藤了 どうか彼を救ってください、ZEROからONEになる前に
何者にもなれていないものが、何かになろうとすること
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藤堂比奈子シリーズ第5作。
本作の題名はZERO。
何がZEROなのだろうか。
今回の事件の始まりは比奈子の実家がある長野県。
比奈子が里帰り中に事件が起こる。
幼児の部分遺体が発見されたのだ。
比奈子は事件を気にしながらも、休暇を満喫して東京に帰る。
すると東京でも同様の事件が起こる。
そしてまたもや猟奇犯罪捜査班の出番となったのだ。
徐々に周囲から認められていく猟奇犯罪捜査班の存在。
そして、歩けば猟奇犯罪に当たるという藤堂比奈子。
一方、第2作目CUTで比奈子が逮捕した佐藤都夜も登場する。
彼女のものとに届いた一通の手紙。
そして彼女は脱獄を決行する。
事件の間に、さらに事件が起こり、捜査は混乱の中に突き落とされる。
そんな中でも犯人を捕まえなければならない。
犯人がZEROからONEになる前に。
いつかは終わりが来る、それは明日かもしれない
「伝えたいことも、やりたいことも、できる時にやっておかないと後悔するということを、被害者たちから学んできたのだ」
比奈子は思う。
被害者たちは殺されると分かっていて殺されたのではない。
死という現実が突然訪れたのだ。
いつ、どのような形で、何に出くわすかなど誰にもわからない。
だからこそ、できる時にやって置かなければならない。
伝えられるときにこそ、伝えなければならない。
大切なことはいつも終わってから気づく。
そんなことになってはならない。
人の成長には周りの影響が大きい
「どういう風に育ったら、また、どういう環境に置かれたら、人は自分を無だと思い込むようになるのだろう」
今回の犯人のプロファイルについて、先生はいう。
犯人は自分を無価値だと考えている。
誰からも必要とされず、相手にもされず、そんな環境に置かれていたのだろうか。
孤独な現実は意外と近くにもあるかもしれない。
正しいことは自分の目で見極める
「何がジョウシキで何がヒジョウシキか、大人は自分で決めちゃうんだもの」
大人びた少年はこう語る。
確かにそうかもしれない。
ジョウシキというのは自分が思っているだけ。
自分の周囲だけが思っているだけでも、世界がすべてそうであると結論付ける人は多いのではなかろうか。
少なくとも善悪だけは自分で判断できるようにならなければ。
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