aichikenminの書斎

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【読書】ZERO 猟奇犯罪捜査班 藤堂比奈子/内藤了 どうか彼を救ってください、ZEROからONEになる前に

何者にもなれていないものが、何かになろうとすること

ZERO 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子 (角川ホラー文庫)

新品価格
¥570から

藤堂比奈子シリーズ第5作。

本作の題名はZERO。

何がZEROなのだろうか。

 

今回の事件の始まりは比奈子の実家がある長野県。

比奈子が里帰り中に事件が起こる。

幼児の部分遺体が発見されたのだ。

 

比奈子は事件を気にしながらも、休暇を満喫して東京に帰る。

すると東京でも同様の事件が起こる。

そしてまたもや猟奇犯罪捜査班の出番となったのだ。

 

徐々に周囲から認められていく猟奇犯罪捜査班の存在。

そして、歩けば猟奇犯罪に当たるという藤堂比奈子。

 

一方、第2作目CUTで比奈子が逮捕した佐藤都夜も登場する。

彼女のものとに届いた一通の手紙。

そして彼女は脱獄を決行する。

 

事件の間に、さらに事件が起こり、捜査は混乱の中に突き落とされる。

そんな中でも犯人を捕まえなければならない。

犯人がZEROからONEになる前に。

いつかは終わりが来る、それは明日かもしれない 

「伝えたいことも、やりたいことも、できる時にやっておかないと後悔するということを、被害者たちから学んできたのだ」

比奈子は思う。

被害者たちは殺されると分かっていて殺されたのではない。

死という現実が突然訪れたのだ。

いつ、どのような形で、何に出くわすかなど誰にもわからない。

だからこそ、できる時にやって置かなければならない。

伝えられるときにこそ、伝えなければならない。

大切なことはいつも終わってから気づく。

そんなことになってはならない。

 

人の成長には周りの影響が大きい

 

「どういう風に育ったら、また、どういう環境に置かれたら、人は自分を無だと思い込むようになるのだろう」

今回の犯人のプロファイルについて、先生はいう。

犯人は自分を無価値だと考えている。

誰からも必要とされず、相手にもされず、そんな環境に置かれていたのだろうか。

孤独な現実は意外と近くにもあるかもしれない。

 

正しいことは自分の目で見極める

「何がジョウシキで何がヒジョウシキか、大人は自分で決めちゃうんだもの」

大人びた少年はこう語る。

確かにそうかもしれない。

ジョウシキというのは自分が思っているだけ。

自分の周囲だけが思っているだけでも、世界がすべてそうであると結論付ける人は多いのではなかろうか。

少なくとも善悪だけは自分で判断できるようにならなければ。

 

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