aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】はなとゆめ/冲方丁 枕草子ではなく、清少納言本人の物語

冲方丁が描く清少納言の物語

はなとゆめ (角川文庫)

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清少納言が書いた枕草子は有名である。

だが、それを書いた本人である清少納言についてどの程度知っているか。

 

文書を書いた人間の背景がわかってこそ、その本質を理解できる。

どのような政治的背景、人間関係、精神状態において記していたのか。

作者に焦点を当てて描く本作で、清少納言という人間が形を帯びる。

 

清少納言藤原定子に使える女房である。

定子を尊敬する、敬愛する清少納言、むしろ愛するといっても過言ではない。

定子という人間と彼女を愛する清少納言、二人が直面する様々な問題の中で繋がりがより深まる。

 

太陽は落日こそが美しい

最後まで定子に使え、敬愛してその思いを込めた枕草子

この言葉もまた、定子に捧げた言葉であろう。

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