【読書】私に似た人/貫井徳郎 テロが日常的に起きる社会で 誰かを信じる事は出来るだろうか
幸せか不幸かなんて要は主観
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小規模なテロが頻発するようになった日本。
実行犯たちは実生活では全く接点がない。
しかしながら、彼らは一様に、冷たい社会に抵抗するレジスタントと、自分のことを称していた。
この物語には10人の主人公がいる。
彼らはそれぞれテロに関わらざるを得なくなった人物である。
大切な人を失ったもの、テロを起こす犯人、警察官、テロに共感を覚えるもの、煽動しようとするもの、テロにも社会にも無関心なもの。
様々な人間たちが織りなし作られていく日本の姿。
現代社会と何が違うだろうか。
フィクションでありながら、なぜか身につまされる思いを感じる。
その原因はどこにあるのか。
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【読書】クライマーズハイ/横山秀夫 未曾有の航空機墜落事故で向き合う職業への覚悟
御巣鷹山の事故当時、著者は地元紙の記者であった
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1985年、御巣鷹山に 未曾有の航空機墜落事故発生。
地元紙の遊軍記者、悠木が全権デスクに任命される。
報道という窓口を通して、事故現場の様子を伝える彼等。
その中で、様々な葛藤がある。
いかに他社よりも早く記事を出すか、しかしながら十分な裏とりが必要である。
その狭間で揺れ動く。
また、読者に対しどこまで寄り添うか。
どの記事がどういう影響を与えるか。
そこまで全て、含んだ上で彼らは記事を書く。
それが 報道という職業に関わる人間たちの覚悟かもしれない。
今一度自分の職業に対する覚悟を思い出す。
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【読書】翼、ふたたび/江上剛 自分は何のために働いているのか
自分の仕事は誰のためになっているのか
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舞台は破綻した航空会社。
そう、日本航空をモデルにした、再建に奮闘をする人々を描いた小説である。
2010年1月、ヤマト航空は経営に行き詰まり会社更生法を申請。
外部からカリスマ経営者を招いた。
しかしながらプライドの高い内部の社員は反感を覚える。
次第にバラバラだった社内は一つにまとまる。
その最中に、東日本大震災が発生する。
奇跡の復活を描く感動のストーリー。
その裏側に何があったのか、すべてはお客様のため。
この物語を読んで誰しも心を打たれるはず。
自分は何のために働いているのか。
自分の仕事は誰のためになっているのか。
胸に手を当てて考えてみる。
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