aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】持続可能な資本主義/新井和宏 企業とは理念そのものだ

育ててもらった恩を返す ただそれだけのこと が会社にとってはそれが難しい

持続可能な資本主義 


良い会社に投資し、日本一を取った鎌倉投信
彼らは何を軸に投資を行うのだろうか。
ただいたずらに利益を求める資本主義の枠組みを超えた彼らの投資スタイル。

 

信頼と共感で成り立つ経済の仕組み。
金融だから生み出せる信頼のレバレッジ
効率至上主義の代案としての日本的な経営。
こういう考え方が資本主義の未来を作っていくのだ。
誰かの犠牲で成り立つ経済ではなく、持続可能な経済を目指して。
金融や経済に関わる仕事をしている人間にこそピンとくる内容だと思う。今一度、自分の仕事を見つめ直しながら。

金融は何をしているのか?何のために存在するのか? 

「誰が誰に何のためにお金を投じるのかという金融の根本の部分」
金融は人にお金を貸す。
しかし金融工学が発達し、ローンが切り売りされるようになった。
切り売りされることで、実際に誰がお金を借りているのかが不明瞭になってしまった。
その結果、起こったのはリーマンショック
本質を見失ったからではないのだろうか。

 

 

市場とは誰のために存在するのか?

「フローの増加を追求することは、社会全体の短期的最適化。ストックの増加を追求することは長期的最適化」
株式市場は、株式会社に何を求めるか。
それは目先の利益であり、短期的な利益とも言える。
将来の布石を打つために、短期的利益を減らすことを投資家たちは良しとしない。
短期的に儲けたいと思う人間が多すぎるから、むしろそれが市場原理なのだから。
でも本当に必要なのはどっちだろうか。
 

目に見えない物を評価できるか?

「社会的価値や人間的価値などの見えざる資産を評価する力を失い、客観的に評価できる担保に極度に依存する体質を作ってしまった」
価値を見定める人間がいなくなった。
わからないからこそ、利益成長率と言った言葉に頼り切りになる。
それに頼らないと物が見えないから。
 

コストではなく、付加価値を分配するステークホルダー

「コストの発生源ではなく付加価値を分配する対象」
株主以外のステークホルダーをどう考えるか。
コストではなく分配対象と考えるべきなのだ。
例えば社員、例えば顧客、例えば地域。
全てに良い影響を与えられる会社こそ、未来に残るべき会社なのだ。
綺麗事かもしれないが、それを見極めることが価値ある投資家だ。
 

関連記事