【読書】モダンタイムス/伊坂幸太郎 実家に忘れてきました。何を?勇気を。
世界の仕組みを知る勇気はあるか
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インターネットが普及し、分からないことは直ぐに検索出来るようになった現代。
逆にいえば、過度に検索に依存するようになった。
何かを調べようと思えば、検索をする。
その検索から、監視が始まる。
魔王から50年後の世界。
世界の仕組みを知る勇気はあるか。
巨大な権力と巻き込まれ立ち向かう個人の話。
ファンタジーっぽく聞こえるが、極めて現実感にあふれている。
世界を構成する何か
「危険思想とは常識を実行に移そうとする思想である」
社会は常識と法律によって構成されている。
常識よりも法律が先行してしまっては、いろいろと破綻してしまう。
何のための法律か、見定める力が求められる。
「自分たちのはめ込まれているシステムが複雑化して、さらにその効果が巨大になると、人からは全体を想像する力が見事に消える」
大きくなるが故に見えなくなるもの。
本来の目的を見失ってしまうもの。
組織は、システムは、何のために生まれ、何のために大きくなるのか。
「資本主義では、社会を動かすのは、道義とか倫理ではなくて、欲望と利益だっていう原則を見失っていたんだ」
すべてが資本主義に基づいて動いてしまえば、利益が出ないもの、見合わないものは全て切り捨てられる。
逆に言えば、メリットさえあれば動かすことができるのが資本主義の世界。
いい点、悪い点、重なりあっている。
忘れてはならない大切なこと
「大事なルールほど、法律では決まってないのよ」
本当に大事なものとは何か。
法律がすべて、ルールがすべて、そんな考え方をするのはロボットと同じ。
考えろ考えろ、安藤が訴えかける。
「二度と会えないことほどやり切れないものはないよ」
別れは辛い。
当たり前だと思っていた現実が崩れ落ちる。
別れてから気づくこと、後悔することのないように。
会っている時間を大切にする。
時間は有限で、突然別れはやってくるものだ。
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