読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】イノベーションはなぜ途絶えたか/山口栄一 昔は技術大国、今は見る影もなし

名言 社会

イノベーターがいない国、日本

イノベーションはなぜ途絶えたか: 科学立国日本の危機 (ちくま新書1222)

新品価格
¥864から

日本は今、成長しているのだろうか。
おそらくほとんどの人がそうではないと感じているはずだ。
だからこそ、金融政策という見せかけの剣を使って推し進めようとしているのだ。
そう、今日本は、沈み行く船と言える。
原発事故、シャープ買収、日本企業の弱さがここにある。
昔は技術大国と呼ばれた国。
今は見る影もない。
日本に不足しているのはどのような人材だろうか。
それはイノベーターと呼ばれる技術と経営の両方に対して知見を持つ人材であろう。
 

 

正しい技術を持っているだけではならない。
技術をどう使うか。
何に価値を見出すか。
それができる人間たちがいま、世界を動かしている。
消費者が何に価値を持ち、何を欲しがっているか。
高い技術を欲しがっているのではない。
彼らが求める価値の本質を見極める。
それがイノベーター。
アメリカは 彼らを見つけ、成長させるシステムを作った。
日本もそれを真似して、形だけを作った。
 
日本の問題点と、我々に不足しているもの。
それを明らかにする本書。
問題の根本はどこにあるのか、目を背けることは許されない。
続きを読む

【読書】総理の夫/原田マハ 全力でついていきたい、そう思える総理がここに

名言 小説 社会

女性総理で世界は変わる

総理の夫 First Gentleman (実業之日本社文庫)

新品価格
¥690から

本日はお日柄もよく、で心を鷲掴みにされた原田マハ著作
その最新作である。
 
日本の総理は沢山いる。
それはなぜか。
一人一人の任期が驚くほど短いからだ。
それは総理に対する信頼のなさが起因しているのかもしれない。
本作は陰鬱な社会をぶち破るべく、まっすぐに走り抜ける女性総理の物語。
正確に言えばその女性総理の夫の物語である。
設定は面白い。

 

それ以上に中身はもっと面白い。
だから読んでほしい。
こういう政治家が現れるのを国民は待っているのではないだろうか。
若干焦点がぶれ、もやっとした発言ばかり繰り返す政治家たち。
彼らが行う政治というものに対して、国民は嫌気がさしてしまったのではないだろうか。
そう思っている人達に向けて、強くすすめたい一冊である。
続きを読む

【読書】貘の檻/道尾秀介 読者に考える時間と空間を与える、それが小説なのだ

名言 小説 小説-道尾秀介

小説の良さがココに詰まっている

貘の檻 (新潮文庫)

新品価格
¥853から


この本は何と紹介したらいいだろうか。
なかなかいい言葉が見つからない。
長編ミステリーであるが、それだけではない。
小説の良さがココに詰まっている。
 
良い小説とは何だろうか、そもそも小説の魅力とは何だろうか。
それは読者が想像力を働かせるところにあると私は思う。
 
 
本作はミステリーの体系をとっている。
しかしながら合間合間に夢の世界が挟まっている。
純粋にミステリーとして読んだならば、それらの シーンは邪魔なものかもしれない。
逆に言えば、この小説はそれだけでも十二分に楽しめる。
 

 

皆が少しずつ少しずつ誤解をして生まれた大きな差。
それは悲しい事件へと豹変する。
登場人物たちが互いに少し、ほんの少しだけの読み違えだったのだが。
道尾秀介の上手さがここにある。
そして夢のシーンは何のためにあるのか。
それは僕も良く分かっていない。
ただの謎解きあれば、小説の形をとっている必要はない。
謎が解けることだけを魅力として捉えるのはいささかもったいない。
より想像力を広くすることで、この作品は化ける。
くっきりと解決するのではなく、読者に考える余裕を与える、それこそが小説。
続きを読む