aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】球体の蛇/道尾秀介 嘘が嘘を呼び、真実が隠され、変わる運命

嘘が嘘を呼び、真実が隠され、運命が変わる

嘘と真実が織り交ざり、重なりあった先にあるもの。

嘘が嘘を呼び、真実が隠され、運命が変わる。

球体の蛇 (角川文庫)

新品価格
¥637から

ほんの少しのきっかけが、些細な出来事が分水嶺になっていた。

読者という俯瞰した風景だからこそわかること。

自分の周りにもあるかもしれない。

そんな気になるほど現実感のある物語。

 

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【読書】笑うハーレキン/道尾秀介 仮面を外すとき、世界が変わる

仮面を外すとき、世界が変わる

相変わらず、大好きです、道尾秀介

笑うハーレキン (中公文庫)

新品価格
¥756から

人は仮面をかぶりながら生きている。

主人公は、家族を失い、会社も失った家具職人の男。

傍らに謎の影を伴い、空き地で仲間たちと暮らす日々。

そこに突然一人の女性が加わる。

まさに謎の女、疫病神か。

 

続けて起きる、非日常な出来事。

突如舞い込む大口の依頼。

何かがおかしい。

危険から逃れながら、自分の過去と向き合いながら、駆け抜ける。

 

仮面を外すとき、世界が変わる。

この本が好きな人は、きっと透明カメレオンも好きだと思う。

aichikenmin-aichi.hatenablog.com

 

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【読書】ラットマン/道尾秀介 思いのすれ違いが生むストーリー

思いのすれ違いが生むストーリー

相手を思うがゆえに、お互いに錯覚し、勘違いし、合理化し、それを気づかぬまま時は過ぎる。

ラットマン (光文社文庫)

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¥637から

題名のラットマンとは心理学の分野で有名な、人の絵にまぎれている場合は人の絵に、ネズミの絵と並んでいるときはネズミに見える絵のこと。読み終わって納得する。

 

誰のところにもありえそうな、一つのボタンの掛け違えを上手に描く、それが道尾さんの本。

 

「過ちと正しさが、そっくり同じ顔をしているのであれば、誰がそれを見分けられるというのだ」

一つの勘違いが、すべてを変えてしまう

リアル、本当にリアルな人間の様が描かれている、そんな小説。

リアルの中にあるどんでん返し、これに尽きる。

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