aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】イプシロンに誓って/森博嗣 バスジャック、その裏側に真賀田四季

またもギリシャ文字、今度はイプシロン

εに誓って SWEARING ON SOLEMN ε (講談社文庫)

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¥637から

山吹と加部谷が乗り込んだ高速バスがバスジャックされてしまった。
犯人グループから爆弾を仕掛けたという声明が出される。
乗客名簿にあった「イプシロンに誓って」という団体名はGシリーズに共通するギリシャ文字の事件と関係あるのだろうか。

 

西之園たちが見守りながらバスは疾走する。
この裏側にいるのは誰なのだろうか。
黒幕はあの真賀田四季なのであろうか。
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【読書】ファーストエンジン/未須本有生 苦難を乗り越える技術者たちの物語

航空機メーカー出身の著者が描く日本初の超音速エンジンプロジェクトが始動する

ファースト・エンジン (集英社文庫)

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¥583から

エンジン完成のため死力を尽くす技術者たちの熱い思いに感動し、涙し、そして奮い立たせられる物語だ。
エンジンメーカーで開発中の新型エンジン。
国産初のアフターバーナー付だ。

 

最後の燃焼試験を迎えたが、そこで爆発が生じ若手技術者が死亡した。
プロジェクトリーダーは左遷され、プロジェクトも実質的に凍結された。
原因を突き止めようとするプロジェクトのメンバーたち。
そして数々の妨害工作を乗り越えながら光を探す。
彼らの勇気に我々は力をもらう、そして誇りを見せつけられるのだ。
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【読書】蜜蜂と遠雷/恩田陸 人間の才能と運命、そして音楽を描き切った

2017年本屋大賞そして直木賞のダブル受賞

蜜蜂と遠雷

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¥1,944から

この組み合わせで期待せざるを得ない。
ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、そして音楽を描き切った一冊。
ピアノコンクールにエントリーした天才たち、そして凡人たち。
本作は彼らの苦悩と成功を描く物語である。
ひとつのコンクールを通して人間は成長する。
一つの出会いを通じて人間は成長する。
何かひとつ、ほんのひとつのきっかけが掴めるだけで人は変わっていくのだ。
それを目の当たりにする本作である。

 

この本、読んでいたと思ったらいつの間にか音楽を聴いていた、そんな感覚に陥った。
なぜ文章を読んでいるのに、頭の中に音楽が流れてくるのか、不思議な体験であった。
流れるような文章と濃密な描写。
登場人物たちを通じた音楽の魅力を伝えてくれる。
語るべき魅力は沢山ある、だがとりあえず言いたいことは読んでほしいそれだけだ。
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