【読書】ZERO 猟奇犯罪捜査班 藤堂比奈子/内藤了 どうか彼を救ってください、ZEROからONEになる前に
何者にもなれていないものが、何かになろうとすること
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藤堂比奈子シリーズ第5作。
本作の題名はZERO。
何がZEROなのだろうか。
今回の事件の始まりは比奈子の実家がある長野県。
比奈子が里帰り中に事件が起こる。
幼児の部分遺体が発見されたのだ。
比奈子は事件を気にしながらも、休暇を満喫して東京に帰る。
すると東京でも同様の事件が起こる。
そしてまたもや猟奇犯罪捜査班の出番となったのだ。
徐々に周囲から認められていく猟奇犯罪捜査班の存在。
そして、歩けば猟奇犯罪に当たるという藤堂比奈子。
一方、第2作目CUTで比奈子が逮捕した佐藤都夜も登場する。
彼女のものとに届いた一通の手紙。
そして彼女は脱獄を決行する。
事件の間に、さらに事件が起こり、捜査は混乱の中に突き落とされる。
そんな中でも犯人を捕まえなければならない。
犯人がZEROからONEになる前に。
続きを読む【読書】LEAK 猟奇犯罪捜査班 藤堂比奈子/内藤了 事件の背景にある大きな闇を見つめて
人が行動を起こすのには理由がある
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藤堂比奈子シリーズ4作目。
本作の題名はLEAK。
何をリークするのだろうか。
その答えはなかなか出てこない。
今回の事件は、秋葉原で死体が見つかることから始まる。
不思議な死体。
体の中に大量の小銭と紙幣が詰め込まれていた。
続けて同様の死体が見つかってくるが、共通点がわからない。
だが、何かしらのメッセージがあるはずだ。
比奈子たち猟奇犯罪捜査班は捜査を続ける。
次第に判明してくる被害者たちの繋がり。
そして殺され方にも意味があった。
人が行動を起こすのには理由がある。
今回の犯人、リッチマンもそうだ。
犯人は何を訴えたかったのか。
自己顕示欲ではなく、伝えたいことがあったからこそ。
比奈子たち捜査班は、犯人を捕まえるだけでなく、その裏側まで汲み取っていく。
現代社会の恐ろしさと、それを救うべく奔走する捜査班に驚愕する。
続きを読む【読書】約束の海/山崎豊子 山崎豊子の絶筆
戦争をテーマとした一冊、著者の思いがこもる
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山崎豊子の作品は、人の生き様、そして社会の、国のあるべき姿形を見せてくれる。
そして無関心でいることの無責任さを我々に見せつけてくる。
彼女の作品がもうこれ以上増えないという哀しみとともに、彼女の残した思いをしっかりと見つめたい。
本作は潜水艦乗りの海上自衛官に焦点を当てたもの。
その潜水艦くにしおが釣り船と衝突する。
多くの犠牲者が出て、マスコミを中心とした国民に非難される。
自衛隊とは何なのか、戦争とは何なのか、ひいては平和とは何なのか。
本作は必死に問いかける。
自衛隊はなぜ存在するのか。
国のためにあるのに、なぜ直ぐに責められるのか。
悪者扱いされてしまうのか。
そのあり方と日本国のあり方を、国民皆が考えなければならない。
目をそむけてはならない。
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