【読書】人工知能/Harvard Business Review 世界の知を結集した最先端の論文集③
テクノロジーは単なる道具である
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前回、前々回からの続き
⑥あなたの上司がロボットに代わったら
「ロボットが計算することは差し支えないが、ロボットが何かを感じることには問題がある。なぜなら、そうなると人間の存在に近づきすぎるからだ」
ロボットは所詮機械。
そういう思いがあるために、人間とは一線を画するものとされている。
だからこそ、人間らしい仕事はロボットにさせることに抵抗がある。
人間は人間らしく、ロボットはロボットらしく、そうやって共存していく。
⑦グーグルは組織をデータで変える
「直属の部下を育て、やる気を引き出すことや、戦略を伝えること、障害を取り除いてあげることなどである。
いずれも必要不可欠な業務であるにもかかわらず、日々の責務に追われるマネジャーが見過ごしがちなものである」
マネジメントは部下を見ること。
日々の業務の中でどれだけ人に気を配れるか。
それは担当として業務するときの延長線上にあるものではない。
不連続な昇進をいかにして人は受け容れるのか。
そしていかにそれを決めるのか。
「私たちは、グーグルで働く人たちの性格を変えようとしているわけではありません。そんなことは不遜であり危険です」
人事部は偉そうなイメージである。
だが、グーグルはどうやら違うらしい。
高慢な押し付けなどせず、あくまで推奨する、紹介する程度だと。
ヒントをあげるだけであり、それを活用するのはあくまで人であると。
そういうスタンスであれば人は意外と従ったりするのだろう。
「優秀な知識労働者は自主性を最も重要視するため、口をはさむ時は思慮深く、かつさりげなく行なう必要がある」
プライドが高い人間に対して、どのようにアプローチをするか。
マネジメントは相手が人である。
その点がもっとも難しいのではないだろうか。
人としての好き嫌いをいかにして排除し、成長を促すか。
それが問題だ。
⑧機械は我々を幸福にするのか
「技術が進歩すると、それに取り残される人がある程度、いや、場合によってはたくさん出てきます」
技術の進歩は平等ではない。
なぜなら、それを活用できる人、そうでない人の間に隔絶の感を与えてしまう。
いかに時代に取り残されないようにするか。
それは新しいものに対する好奇心を欠かさないことではなかろうか。
「GDPと生産性が表す経済的豊かさは引き続き上向きなのに、一般的な労働者の所得と雇用の見通しはぱっとしないのです」
技術の進歩により超資産家である一部の人間と、それ以外にわかれてしまった。
中間層がなくなり、国民の大部分は閉塞感を味わっている。
「機械と人間を協力させてまったく新しいことを成し遂げ、市場でもっと価値のあるものを創造するにはどうすればよいか」
機械を敵と見なすのではなく、機械を使って新しいことを創造する。
機械を使うことにより、自分は新しいことを、クリエイティブなことをする。
人間らしい仕事を行なうことで自分の能力や知恵を使う。
その方が仕事も楽しくなるのではなかろうか。
「テクノロジーは単なる道具なのです」
機械に負けてしまうのではない。
そもそもテクノロジーは人間の道具であり、人間がどのように活用するかを考えればいいのだ。
主体は人間。
生み出すものに踏み潰されるような、そんな世界にはならないように、人間が導くのだ。
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