【読書】BACK 猟奇犯罪捜査官 藤堂比奈子/内藤了 敵はどこにいる?
藤堂比奈子シリーズ第7作
都心の総合病院で起きた大量殺人事件。
その病院は通常と違っていた。
なぜならそこには特殊な受刑者を入院させるための特別病棟があったのだ。
ねらわれたのは その病棟にいる受刑者であった。
そしてインターネット上では奇妙な書き込みが見つかった。
報道されていない内容がそこに乗っていたのだ。
そこには「スイッチを押すもの」という記述が見つかった。
その「スイッチを押すもの」とは中島保、彼のハンドルネームだった。
人との関係を知り始めた少年は
「永久は今、ありのままの自分がどういうものかを静かに模索し始めている」
比奈子を殺そうとした彼は自分の中身を見つめる。
幼いからこそ、今まで感じたことない感情があそこにあったのではないだろうか。
保は彼を必死に更生させようとする。
悪人が悪いのではない。
悪人を作り出した世界が悪いのだと社会が悪いのだと。
前例がないからあり得ないというのは無根拠の極み
「行き当たったことがないからあり得ないという考えには、なんの根拠もないことを」
厚田警部補のチームは猟奇犯罪を担当している。
だからありえないことばかりさ起こるのだ。
ありえないことというのは存在しない。
ただ行き当たったことがないだけ。
世の中、皆が自分が持っている当たり前の中で生きている。
そう思い込んでいるだけなのだ。
寄り添うこと、それは相手のためを思っているのだろうか。「 寄り添う事って難しいよね それはただの自己満足か それとも相手の為なのか」
ただ寄り添っている自分に対して何かしらの偽善を感じているのではないだろうか。
寄り沿っているという事を知り、そこから抜け出すことは出来るのだろうか。
純粋に自分の感覚を相手に押し付けてしまってはいないだろうか。
分かり合うことの難しさを再認識させてくれる1冊であった。
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