【読書】スタフ/道尾秀介 人々の寂しさ、言葉にできない何か
人が抱える寂しさを気づけるだろうか
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主人公は都会で移動デリを営む女性、夏都。
彼女は姉の子ども、智弥と暮らしている。
夏都は旦那と離婚し、一人で移動デリを営んでいる。
移動デリは別れた旦那の夢であり、仕事であったものの、彼女はそれを引継いでいる。
なぜだろうか。
負けず嫌い、そして逃がした魚は大きいのだというアピールだろうか。
一方智弥は人付き合いが苦手な中学生。
パソコンばかりやっており、必要最低限の会話はせず、感情もあまり表に出さない。
二人で不思議な生活を続けている中、事件は起こる。
夏都がさらわれる、ランチワゴンごと。
そこで出会ったのはカグヤというアイドルであった。
彼女に頼まれて、彼女の姉である女優のために、一肌脱ぐことになってしまう。
テンポよく進む物語、だが、ところどころに違和感がある。
頼んだのはカグヤなのだが、皆それぞれに目的がある。
本当の主役は誰なのだろうか。
それがわかる時に、物語は違ったものになる。
家族が別れて暮らすことが珍しくなくなった現代において、人はどのような悩みを抱えるのか。
人は仲間を見つけたがる。
そして、人は何かになりきることで恐れや不安を見えなくする。
人々の寂しさ、言葉にできない何かをこの小説は見せてくれる。
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