aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】死神の浮力/伊坂幸太郎 死神が人間たちに正論を説く。大真面目に。

主人公は死神、儚い人間ではない

死神の浮力 (文春文庫)

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娘を殺された作家夫妻は犯人に対する憎しみを抱いている。

 

犯人は無罪判決を受けてしまった。

彼らは復讐を計画していた。

 

そんな中、彼らの前に死神が現れた。

死神は名前を千葉という。

 

千葉は人間を7日間調査し、その人間が死んで問題ないかどうかをチェックする仕事をしている。

死神の調査だ。

 

夫妻が復讐を計画している間、千葉は彼らと行動を共にする。

だが、犯人は復讐されることを見越していた。

 

犯人はサイコパス、感情が欠如して他人を操ることに快感を覚える人間だった。

そこからサイコパス対死神という不思議な構図が出来上がる。

 

犯罪と復讐、そして死というものが重なって本作は構成されている。

ファンタジー成分がありながらも、深い社会性と死への考察が含まれている。

人間とはかくも儚い、そして尊いものであるか。

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