【読書】ようこそ、わが家へ/池井戸潤 弱い主人公の頑張りから、勇気をもらえる
柔らかそうなタイトル、そしてなぜか少し暗い印象を受ける表紙
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このアンマッチに興味を惹かれる一冊。
主人公の倉田は、銀行からの出向者であり、池井戸作品のうち、もっとも弱い主人公である。
彼は駅のホームで、男を注意する。
するとその日から倉田家に対する嫌がらせが始まった。
徐々にエスカレートする嫌がらせは、盗聴まで判明した。
嫌がらせをする犯人を明らかにし、平穏な日常を取り戻すために彼ら家族は対決する。
また倉田は会社でも窮地に陥る。
不正を糾弾した営業部長にやり返され、社内でも苦しい立場になってしまった。
彼は良かれと思って行動している、だがそれが所詮は出向者という視点で歪められる。
そんな苦しみを味わっている。
今までの池井戸作品は、歯に衣着せぬ強い主人公が多かった。
だが、今回は違う。
普通の、むしろ弱いと思えるような気の小さなおじさんなのだ。
彼の頑張りを見ながら、何か勇気をもらえる。
そして読了後のタイトルを見て、もう一度ふるえる。
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