aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】君の名は。/新海誠 私は、僕は、だれかひとりを、ひとりだけを、探している

星が降ってくるようだった

小説 君の名は。 (角川文庫)

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話題の映画、小説版。

田舎暮らしの女子高生、三葉。

彼女は夢を見る。

その夢では自分が東京に住む男子高校生になっていた。

 

東京暮らしの男子高校生、瀧。

彼も夢を見る。

山奥の村で暮らす女子高生になる夢だ。

 

やがて二人は入れ替わっていたことに気づく。

交わることになった彼らはやがて壮大な運命に翻弄されていく。

 

彗星を鍵にした運命の物語。

時間は組紐のようにくっついては離れ、離れてはまたくっつく。

時間の流れという無常の存在に抗いながら、二人は生きていく。

 

映画もいいが、小説もいい。

どっちがいいとは決められない、むしろ両方とも見て欲しい。

映画にしか無い臨場感と、小説にしか無い奥深さが存在する。

神さまに何を願うか

「神さまが本当にいるならば、それでもなにを願えば良いのか、私は自分でも分からないのだった」

神に祈るとき、人は何を願うのだろうか。

自分の手の届かないことを祈るのだろうが、それは一体なんだろうか。

人それぞれではあるものの、多くは自分にとってどうすることもできないことなのだろう。

願っても願わなくても、何かしら後悔は出てきそうだ。

 

 

時間は組紐のように寄り集まる

「よりあつまって形を作り、捻れて絡まって、時には戻って、途切れ、またつながり。」

三葉の祖母が時間の流れを組紐に例える。

そしてそれをムスビという。

映画でも、小説でも、この組紐が時間とともに物語の根幹を成していることに気づく。

それは彗星もしかり。

現実にも時間の組紐が存在する。

しかしそれを目にすることはできない。

 

彗星のように現れ、消える

「まるで遅れてやって来た彗星みたいに、突如俺を訪れ、跡形もなく去って行ったなにか」

瀧はこう思う。

記憶の中には残っていない、残っていないのだが、何か忘れていることがあると。

それはまるで彗星のようで、突然やってきて、突然消える。

それを探しているようで、実は何を探しているのかわかっていない。

そんなこと、意外とあるんじゃないだろうか。

 

人は記憶をたどることで生きる

「ひとは大切なことを忘れていく。けれども、そこに抗おうともがくことで生を獲得するのだ」

人は忘れる生き物だ。

忘れることに対して抗う、それが生きること。

自分の足跡を振り返りながら、確かなものにしていくこと。

 

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