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20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】99.9%は仮説/竹内薫 なぜあの人には話が通じないのか

真理が実は思い込みであるということを実感するための本書

99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 (光文社新書)

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¥756から

なかなか話が通じない、そんな相手は誰しもいると思う。

なぜ通じないのか。

それは自分の考え方と相手の考え方の背景が違うから。

 

自分の世界では、正しいと思っている仮説があっても、

相手の世界のなかでは、別の仮説が存在する。

真理だと思い込んでいるものは実は仮説であり、主観に左右されうるものである

 

すべて正しいと丸呑みするのではなく、背後にどのような仮説が潜んでいるかを吟味することで、ようやく正しい判断ができる。

 

本書の書きぶりは非常に、分かりやすく、そして例えも明瞭である。

前半にやや掴みのための強めの言葉があるが、非常に面白い。

 

明確にわかっていることなんてないのだ。

あくまで仮説である。

そのことを心に留めておくと、生きやすくなるかもしれない。

 

違いを知っていなければならない

「試行錯誤と経験によってうまくいくことと、その科学的な根拠が完璧にわかっていることとは別だ」

例えば飛行機が何故とぶか。

こういう理論で考えれば綺麗に説明できるとされているが完璧ではない。

一方、実際にそれが飛ぶには様々な実験が行われ、理論的にというよりも実践的にうまくいくことがわかっている。

理論においては、さまざまな背景が存在する。

宇宙の成り立ちがはっきりと見いだせないのにも見られるように、科学は真理ではない。

科学がすべて正しいなどと思っていては、過度な期待を持ってしまう

人間としてしっかりとした判断が求められる。

 

 

頭が固くなってはいないだろうか

「客観的な性能よりも、自分の頭のなかにある主観的な思いこみのほうが勝つ」

「いまある枠組みに都合のいいように、事実のほうがねじ曲げられてしまいます」

いままで信じてきたものが、突如覆される。

そういった場合に、人は素直に受け容れることができない。

ガリレオの望遠鏡の例だってそう。

月の表面が綺麗だと信じているから、実際の拡大映像を突きつけられても信じることができない。

この例は現代でも多く存在するのだろう。

昔はこれで上手くいったから、というように。

頭の硬くなっている人には、仮説の存在を教えてあげることが必要だ。

 

科学はあくまでツール

「科学と真理は、近づくことはできてもけっして重なることはできない」

著者は何度も強調する。

科学は、こういう考え方をするとうまくいくよ、というツールなのだ。

ツールそれ自体が真理にはならない。

あくまで、考え方、方法を示すだけ。

科学を無条件に信じすぎてはいけない。

そういうものだと認識しておかなければ、痛いしっぺ返しを食らうはずだ。

そして科学は万能だと教えてもいけない。

教育の過程で、わかっていること、わかっていないこと、はっきりと区別して教えるべきなのだが、そんなものを教師に求めることは非常に難しい。

大学教授レベルではないとなかなか本質はつかめていないのだから。

 

人格の使い分け

「だれでも自然に、無意識に人格の変換を行っている」

人は、周りによって人格の使い分けをする。

会社では、課長として振る舞う。

家では、良いパパとして振る舞う。

これらは同一人物であるものの、中身はかなり異なってくる。

複数の人格を持っているのは当たりまえなのだから、

頭ごなしに固定観念を持ってしまうのはよろしくない。

仕事上では厳しくても、人間的に嫌いになってしまうのはもったいない。

 

コミュニケーションとは背景を確かめることから始まる

「話が通じないのは、自分の仮説が相手に通じていないということ」

意思疎通ができない場合、そこで諦めるのではなく、同じ土俵に立っているかを確認することが必要。

実は、1段ずれていたり、向いている方向が異なるかもしれない。

これを念頭に置いておけば、コミュニケーションは捗るかもしれない。

 

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