aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】ドンナビアンカ/誉田哲也 刑事ものの殻を被った純愛の物語

報われて欲しいと願いながら、無事であって欲しいと願いながら読み進める物語

ドンナ ビアンカ (新潮文庫)

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外食企業の役員と従業員が誘拐された。

事件を追うのは女刑事、魚住。

身代金の受け渡しは失敗し、犯人の姿は見えない。

 

また、同時並行で別の視点、別の時系列の話も進行する。

初めて恋をした中年男性。

恋い焦がれ、辿り着いた先には地獄が待っていた。

 

それらをつなぐ中国人女性、まさに白い少女。

報われて欲しいと願いながら、無事であって欲しいと願いながら読み進める物語

サスペンス物のなかに、純粋で綺麗な愛が見える。

 

 

経験がモノをいう

「自分の感覚を信じられなければ、捜査なんて何一つ進められなくなってしまう」

ベテラン刑事の言葉。

長く仕事をやっているとやはり経験というものが身についてくる。

専門性というのだろうか、独自色というのだろうか。

やはり組織の中でも光り輝くことの出来る人間は、何かしらのオリジナルなものを持っている。

ベテランが無条件で偉いわけではないが、ベテランにはベテランの強みがあることは間違いない。

若い人間はベテランの本質を理解し、ベテランは無駄に威張り散らさないこと

それこそが良い組織を創っていくのではなかろうか。

 

 

自立するということ

「誰かに手を引っ張ってもらうより、自分の足できちんと歩く。
いつのまにか、そういう生き方が身についてしまった」

人に頼らずに生きていくことに慣れる。

例えば一人暮らしで生活をしていたり。

でも時々、人恋しくなることはある。

徐々に慣れるのだろうか。

自分の足できちんと歩くことができるようになるのだろうか。

時々は休んで、誰かの世話になって、また立ち上がって歩いて行く

そんな人生がいいのかもしれない。

 

自分を信じられるのは自分

「たったそれだけの理由で、自分という人間を、肯定することができたんだ」

自分を信じること、自分を理解してあげること。

自分をやたら卑下する人が増えてきたように思う。

もしかしたら卑下するふりをしているだけかもしれないが。

自分を認めてあげることから自信は生まれ、その自信に裏打ちされた態度が、他人から認められることに繋がるのだろう。

まずは自分が自分を認めること。

そこから始めなければならない。

 

このセリフは、物語のクライマックスで純愛の様相を呈する場面で現れる。

刑事ものとは思えない、綺麗な情景を見せてくれる。

 

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