aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】空白を満たしなさい/平野啓一郎 三年前に死んだ人間が帰ってきた

三年前に死んだ人間が帰ってきた

死因は自殺。

だが、本人に自殺する理由がないし、思い当たらない。

生き返って自殺の原因を探す、その先に見えるものは。

空白を満たしなさい(上) [ 平野啓一郎 ]

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前を向くために支えあう

「人間一人死ねば、その一人分の穴が開く。
その穴をいつまでも放っておくわけにはいかんだろう。
みんなで一生懸命埋める。じゃないと、一々その穴で躓くことになる。」

ふとした瞬間、いなくなった人の事を考える。

思い出して悲しくなる。

けれども前を向くために、みんなで一生懸命支えあう。

躓き過ぎてはいけないけれども、埋めすぎてもいけないんだろうな。

幸せな様子を思い出して、自分も幸せな気持ちになれるように。

そうありたい。

 

後悔のないように生きること

「穏やかに、ゆっくりと、長い坂を一歩ずつ降りていくように、祖母はこの世界から遠ざかって行きつつある。」

老いるということは、自分が世界から遠ざかっているのを実感することだと思う。

老いるということは、いろんなことを悟り、受け入れていくことだとも。

死を身近に感じることは少ない。だからこそ、突きつけられた時にドキッとする。

後悔のないように生きること、それが必要。

 

 

互いを見下し合うのではなく、認め合う

「人間は、生きていくためには、どうしても自分を肯定しなければならない。」

自分を肯定しなければ、そのうちおかしくなってしまう。

肯定できる自分であるか、無理やり肯定するか。

肯定できる自分になるために、現状から踏み出すことは非常に勇気のいることだ。

だが、一度きりの大切な人生こそ、胸はって肯定するべきものであろう。

 

「今の日本は、何をやっても褒められないから、辛いよ」

何がそんなに褒められないと感じる原因なのだろうか。

学生時代、がんばって勉強をしていると、胸を張ってアピールする人間は少ない。

何となく後ろめたい気分になるというか、他人から、後ろ指さされるから。

あいつ、何頑張っちゃってるんだろうね、とか、頑張ってる割に合格できてないとか。

ネガティブな方向に、足を引っ張り合ってしまうからだろう。

いいことはいい、そうやって認められることが自己承認欲求。

互いを見下し合うのではなく、認め合う

ともに上を見る、そんな世の中にどうしたらなるのだろうか。

空白を満たしなさい(下) [ 平野啓一郎 ]

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