【読書】透明カメレオン/道尾秀介 少しの嘘と、願いを込めて
主人公はラジオのDJ。彼がつくる世界
今夜も僕は、世界をつくる。少しの嘘と、願いを込めて。
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帯の言葉、読み終わったあとにもう一度見ると、意味がわかります。意味が変わります。
エンターテイメント性の高い小説だなと思い読み進めると、終盤の感動。震えました。
嘘というものにここまで心を揺さぶられるとは。
優しく背中を押してくれる言葉たちに溢れている本作
「でも僕はね、弱くていいと思ってる」
弱くてもいいんです。一歩ずつ前を向けるように、慣らし運転で。
この小説に出てくる言葉で、後押しされることって多くあると思う。
背中を押してくれる小説とでもいうのでしょうか。
「世の中の大事なことの大半は、あとになって大事だとわかるもので、それまではたいがいこうして右から左へ流されていく」
一つ一つの選択に、後悔しないように生きていく。
だけどもすべてが上手くいくことはない。
そうなったときに人は強くある必要もないのだ。
「見えるものしか見えなくなってしまったのは、いつの頃からだろう」
信じること。
見えないものを信じることができなくなるのは、それを恥ずかしいと思うようになるのはいつからだろう。
「これからはもう脳天気に生きていこうって」
切り替えることの難しさ。
誰もがこうやって割り切ることはできないよ。
「人生動こうと思った時に動かねえと駄目なんだ」
「ただし慎重にいくで」
決断というものは本当に難しい。
いろいろ考えすぎてしまうから。
だけど直感を信じて進めるというのもいい手なのだろう。
未だそんな決断をしたことがないけれども。
小さな選択とそれにともなって起こる変化
「ほんの小さな選択だったんだ。ほんの短い言葉だった。」
少しだけ、ほんの少しだけで変わってしまうことってある。
道尾さんは、小さな選択とそれにともなって起こる変化を書くのがほんとに上手。
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