aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】月物語/西尾維新 100%趣味で書かれた将説です

3月のライオン12巻の特装版として、西尾維新の小説がついてきた

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物語シリーズ羽川翼3月のライオン、桐山零が出会う。

将棋会館の前に現れた羽川翼

零は思わず話しかけてしまう。

 

彼女は将棋盤を題材にした暗号を説くためにやってきた。

不思議な盤面に零は絶句しながらも、翼とともに解き始める。

 

物語の世界観や毛色が全く違う両作品が織りなす物語。

本編とは全くの別物と考えるのがよい。

だが、面白い。

天才とは 

「天才ってどういう化物を指すんだと思う?」

翼から出てくる言葉には力がある。

自分が元々天才だったから、そして零も同様だから。

自分が含まれるカテゴリについて、平然と化物と呼称する。

零は定跡という王道とそれを気にせず突き進む覇道を思い起こす。

どちらが正しいわけではないが、他を羨ましく思ったりもする。

天才とは自分の世界で完結している人間なのだろうか。

 

 

メタ的を有する登場人物たち

「世界観が違うのだ」

西尾維新作品において登場人物の魅力はこのような発言だと思う。

そう、メタ的発言。

自分が小説の中の登場人物だと認識しており、またお互いが他の物語から生まれ

たものであることも知っている。

もちろん、人によって好き嫌いはあるだろう。

これが小説のエンターテイメント性の一つとも言えるのではないだろうか。

 

伝わらないもどかしさと、それをバッサリ切る羽川翼

「どんなに通じようとしても、どうやって伝えようとしても、通じず、伝わらない言葉はある」

本作のネタである将棋の盤面をモチーフにした暗号。

限られた言葉の中でやりとりをする中、一方は伝えようとして投げ込んだ。

しかし、もう一方は中身を理解せず諦めてしまった。

情報の非対称性が生み出すすれ違い。

本来であれば、もっと美しい結果が生まれたかもしれないのに。

もどかしい気持ちになる一方、翼はリアリストな発言をする。

ちゃんと喋れよ、と。

 

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