aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】プラージュ/誉田哲也 犯罪者たちのその後 に焦点を当てた物語

プラージュとはフランス語で海辺という意味だ海と陸の境界。

プラージュ (幻冬舎文庫)

それは常に揺らいでいる。
家賃5万円、掃除交代制、仕切りはカーテンのみで、美味しい食事付き。
こういったシェアハウスがあったとしたら、あなたはどうするだろうか。
だが住人たちは何だか訳ありな人ばかりだ。
そんなシェアハウスに入ることになった元サラリーマンの貴生。
彼はなぜ元サラリーマンなのか。
それは彼が前科者だからだ。

 

気晴らしに出かけた店で、周りに勧められるがままに覚せい剤を使用、そして逮捕される。
そんな経験を持った彼は社会に復帰しようと試みる。
だが社会は前科者に厳しい。
住むところもままならない。
そんな中に、紹介されたのがこのシェアハウス、プラージュであった。
訳ありの人間達が織りなす、訳ありの物語。
人はどうやって更生していくのか。
罪はどうしたら許されるのか。
その問いに真っ向から向き合っている。

善悪の判断はできているか 

「それが悪い世界だって決められていることになんでみんなが少しの疑問も持たないのか、そのことの方が私には分からない」
善悪は誰が決めるのだろうか。
法律だろうか。
法律は善悪の判断の後についてくるもの。
善悪は誰が決めるのか。
世間一般で言われている善悪。
果たしてそれは盲目的なものではないのか。
なぜそれが正しいのか断言できる人は少ないのではないか。
そんな疑問を持ってしまう。
 

 

善悪の判断、罰の判断はしょせん人間が決めるもの

「刑罰や死刑存廃の問題と言うのは、むしろ受け入れる社会の側の問題の様に私には思えてくる」
罪を犯した人間は罰を受ける。
その罰はどこまで 許されるのだろうか。
罰を受けたらゼロに戻るのだろうか。
世間はそうは見ない。
それは当然だ。
一方で死刑と言うのは、再犯を行わせないと言うことに対する手当なのだと思う。
そもそも罰と言うのは総じてそういうものだ。
再犯が頻発する社会の構成はあってはならない。
 

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