【読書】フェルドマン博士の日本経済最新講義/ロバート・アラン・フェルドマン 日本という国はどう見えているのだろうか?
日本という国はどう見えているのだろうか
WBSに出てる人ですね。
日本人が書いてる本よりも、何となく信頼できるような気がして。
外の人から日本という国はどう見えているのだろうか。
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アベノミクスの効果、エネルギー政策、高齢化社会、選挙制度など、
多岐にわたるテーマが包括されています。
何ができていて、何ができていないのか。
参議院選挙もあることですし、今一度、母国の現状と目指すべき方向性を確かにすべく。
「経済学とは何かと訊ねられれば、希少資源の最適な利用の学問と答えます。
さらに、その目的は、希少性からくる争いを減らし、世界を平和にすることと言えるでしょう」
経済というと、お金儲けという資本主義のイメージに直結しがちですが、
その目的は、世界を平和にすること。
これを聞くと、ちょっとだけ違った目線で経済というものに挑むことができるかもしれない。
「選挙制度がこのままでは、国の財政において合理的なお金の使い方はできない」
選挙制度にこそ、経済成長を左右する原因が潜んでいると著者は言う。
国会議員は日本の将来のためを思っているものの、当選しなければ何もできない。
当選するためには、票を集めやすい発言をせざるを得ない。
若者の投票率が低く、高齢者の力が強いため、社会保障費に切り込みずらい。
選挙に無関心でいては駄目だという教育が必要ではなかろうか。
正直、僕も選挙権をもらった時は、どこに投票すりゃいいんだよ、しらねーよ。と思っていた。
教えてもらってないからわかんねー、とかあの人も行ってないから俺もいかなくていいや、とか。
人間、楽な方に動いてしまうから。
政治に目を向けるべく、主権をもつ国民であるべく、そういった教育が求められる時代になった。
「人間は変化が嫌いですから、よほど困ったときでないと変化を受け入れないのです」
これは、社会に出てから嫌というほど思い知ったことだ。
良くもないけど、悪くなければ現状維持でいいでしょ、というスタンス。
「雇用と労働について考えるとき、大事な原則が二つあります。
ひとつは同一労働同一賃金。もうひとつは適材適所です。」
同じ仕事における正規労働者と非正規労働者の違いが生じるのはこれらが守られていないから。
これら原則が守られれば、人材の流動性は非常に大きくなる。
魅力のあるところに人材が集まるようになり、給料が上がってくる。
働きたい職場がすぐに見つかり、移りやすい環境であることが重要なのだろう。
あとがきで紹介されたスティーブン・ホーキング博士の発言にも心震える。
「Be brave, be determined, overcome the odds, it can be done.
断固たる決意、勇気を持つこと、分が悪くてもがんばること、できないことはないのだ」